ネックリセット
ネック取り外し
1.サウンドホールからネックブロックにボルトがあることを確認しました。
2.フレットを抜いた後、ラバーヒーターを使ってフィンガーボードを暖めます。
3.ヒーターを当て木でクランプします。
4.ヒーターに通電します。フィンガーボードの温度をモニタしながら徐々に温度を上げていきます。
5.そのまま数分間置いた後、ナイフを差し込んでいきます。接着剤が熱で軟化しているのがわかります。
6.15フレット下部分までナイフが入りました。フィンガーボードとボディの取り外しが完了です。次にネックの取り外しを行いましょう。
![](video-thumb/NeckSeparate.jpg)
フィンガーボード分離の様子です。
7.ネックはボルトを緩めることで外します。
8.ボルトを緩めています。
![](video-thumb/NeckRemove.jpg)
ネック取り外しの様子です。
![](video-thumb/NeckRemoveAlt.jpg)
別角度から見たネック取り外しの様子です。
ネックブロック破損部リペア
9.ネックを外した接合部です。
10.フィンガーボードに沿って、トップ板に亀裂が入っています。
11.ネックブロックとトップ板が分離しているので、接着補強を行います。
12.トップ板の亀裂を接着するとともに、ネックブロックの分離も同時に接着して、強度補完を行います。
13.トップ板割れはボディ内からパッチ材接着によって補強します。
14.パッチ材を接着しました。
ネック調整
15.ネックヒール部です。マスキングテープを貼り、この部分の微妙な高さを目安に作業を進めていきます。
16.ヒール部分を削っていきます。
17.目標のヒール高が削り出せました。これに合わせてネック接合部を調整加工していきます。
18.ネック接合部を削っていきます。フィンガーボード側(右)は削らず、ヒール部(左)だけに傾斜を持たせるように加工していきます。
19.同様に反対側も切削加工を行います。少しずつ慎重に削っていきます。
20.ヒール先端部はよく研いだノミで削ります。
21.ボディとフィンガーボード接合部をサンディングブロックで平坦にしておきます。
22.ボディ側ネックスロットの外側にマスキングテープを貼ってボディを保護します。
23.ネックとボディの間にサンドペーパーを挟みます。
24.ネックをボディに密着させながらサンドペーパーを抜き取ります。
25.1弦側と6弦側の両方を行います。このとき両サイドの引き抜き回数を覚えておきます。
26.ネック取り付けの直線性を確認します。直線けがき線の入ったアクリル板をネックからブリッジにかけて乗せます。
![](video-thumb/NeckAlign.jpg)
ネックヒール部を調整している様子です。
27.ナット部分センター位置にケガキ線を合わせます。
28.ブリッジ部分も同様にセンター位置にケガキ線を合わせます。
29.さらにネックとボディの接合部(14フレット)のセンター位置にケガキ線が乗っていることを確認します。
30.ネック取り付け角度もこの段階で確認します。
31.フィンガーボードがブリッジ面上端を指すようにネック取り付け角度を調整しました。
32.ネック接合の準備が完了しました。
![](video-thumb/NeckCheck.jpg)
ネックとボディの直線性と取り付け角度を確認している様子です。
ネック再接合
33.HideGlue(膠:ニカワ)をフィンガーボード裏とネック接合部に塗っていきます。
34.接着剤が均一になるようにヘラでのばしていきます。
35.ネックとボディを接合します。ゆっくりジョイント部にネックを置きます。
36.クランプと当て木でネックを固定し、あふれ出た接着剤をふき取っていきます。
![](video-thumb/NeckGlue.jpg)
ネックを再接合している様子です。
![](video-thumb/NeckGlueAlt.jpg)
別角度からです。
37.マスキングテープをはがします。
38.このまま固着を待ちましょう。
![](video-thumb/NeckReview.jpg)
ネックリセット後の様子です。
39.リセット後のネックヒール部です。
40.ネックとボディの密着度はギター全体からの出音の要です。