工房マスター、樋口英之のプロフィール
1956年兵庫県生まれ、現在神戸市に在住しています。 中学生一年生の時に最初に買ったのは3000円のガットギターでした。高校生になって貯金をはたいて買ったのが今も愛用しているYAMAKIです。社会に出て、結婚し、子育ての間もYAMAKIはずっと私のそばに居ました。 数年前、YAMAKIのブリッジピンの一本が折れたので、TUSQ素材のパーツに交換しました。その時の音色の大きな変化が私をギターリペアの世界にのめり込ませました。
ギターの演奏テクニックは天性のものがありますが、ギターの音を良くする改造でテクニックがカバーできるのではないか、と思って改造を試みることにしました。いざ改造をやってみると試行錯誤の連続でした。
その結果、想像を超えた音色の改善がありました。自画自賛ではないかと楽器屋さんのいわゆる高価なビンテージギターを試奏させてもらいましたが、決して劣っていないことがわかりました。 改造の試行錯誤は現在も進行中で、これからもずっと続くような気がしています。 さらに、私とアコギ・デュオユニットを組んでいる友人にも聴いてもらったところ、素晴らしい音だ、との評価を得て、彼のギターの改造も引き受けることになりました。(リペアファイルのページをご参照ください) 自分の技術で他の人が喜んでくれた、自分の感性と技術は間違っていなかったんだ、というかすかな自信を得ることができました。
自分の演奏を録音してみようとピックアップもつけてみました。コネクタ固定用にボディにドリルで穴を開けるときの緊張感は大変なものでした。まもなく、ライブ出演するチャンスが来たので、YAMAKI+FISHMANピックアップでデビューを果たしました。PAシステムから聞こえる大音量の自分のギターサウンド。「これって、自分の演奏じゃないんじゃない?」と思うほど素晴らしい音でした。その時、私は「ギターテクニックはギターの音色と表現手段でカバーできる」と確信しました。いつもは家で練習を生音で聴いている家族も「こんな音になるんや!」とウルウル感動したほどです。
元来、私の家系は職人かたぎの血筋で、自分が納得できるまで挑戦する性格の遺伝子を引き継いでいるようです。 (ハマる性格、または凝り性という表現が正しいかもしれません)。 ギターを弾き始めた頃からの憧れだった「自分で作ったギターを演奏する」ことが夢になり、そして目標になり、いつしか現実となって「夢を叶える」ことができました。
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- 音楽仲間や友人の激励や暖かいご協力で「自作ギターの演奏」を動画に記録することができました。 皆さん、本当にありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくお願い致します。