Gibson Dove
戻る三重県にお住まいのT.F.さんからGibsonDoveのトータルリペアのご依頼をいただきました
実はT.Fさんからのリペアご依頼はGibson SouthernJumbo、Terry'sTerryに引き続き、これが3本目です(あとの2本のリペアはBLOGにてのみ紹介させていただきました)
リペア後、T.F.さんから暖かいメッセージが届きました。至らない点も多々ありましたが、本当にありがとうございました
今後ともよろしくお願い致します。
Gibson Dove無事に届きました
リペア前の音色とはかなり変化しています
ギターの振動が以前よりも体に伝わってくるのが分かります
僕はネックが鳴るとか、ネックから音が出るようになったとも感じています
それによってギター全体に振動が伝わっているのではないかと思います
音も伸びました
明日は本気のストロークで遊ぼうと思っています
今回のリペアは本当に大変だったと思われます
抜き終わったフレットを見ましたが本当にペンチで挟む余裕もないような状態でした
今まで、ギターにピックアップは付けたことはあったものの、リペアは始めての経験でした
弾きにくく感じていたギターが弾きたいギターに生まれ変わる、また新たな命が吹き込まれたような気がしています
キターの仕組みに関してはある程度分かっているつもりになっていましたが全然分かっていない事を知りました
今回3本ものギターを手がけていただき本当にありがとうございました。
リペア前の状況確認
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- 1. このギターを最初に拝見させていただいて驚いたのは、
- 1. このギターを最初に拝見させていただいて驚いたのは、
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- 2. そしてエッジのほとんどすり減ったナットです
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- 3. そしてアジャスタブル・サドル。T.F.さんの強いご希望により、
- 3. そしてアジャスタブル・サドル。T.F.さんの強いご希望により、
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- 4. ヘッド側からネックの反りを見ると、若干順ぞり気味です
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- 1. はんだごてでフレットを暖めながら、
- 1. はんだごてでフレットを暖めながら、
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- 2. 山の部分がほとんどないフレットですので、
- 2. 山の部分がほとんどないフレットですので、
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- 3. 根気よく、ゆっくりと抜いていきます。
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- 4.全フレットを抜き終えました。
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- 5. フィンガーボードを軽くサンディングします
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- 6. フィンガーボードが弦方向に直線であることを確かめておきます。これを忘れると、フレットすりあわせ時のフレット削り量が大きくなります。
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- 7. フレット溝に入ったサンディングの粉を取り除きます。
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- 8. フレット打ち込み準備完了です!
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- 9.打ち込みを始める前にボディ内フィンガーボード下に
- 9.打ち込みを始める前にボディ内フィンガーボード下に
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- 10.フレットの準備です。フレットワイヤーにアールをつけていきます。
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- 11.フィンガーボードの幅よりも少し大きめにフレットをカットします。
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- 12.フレット端をバインディング処理します。こちらは処理前です。
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- 13.フレットのタング部分(フィンガーボードに打ち込まれる部分)を専用のプライヤーでカットします。
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- 14.こちらがバインディング処理を行ったフレット端です。
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- 15.フレットを打ち込むときは、両端を先に打ち込みます
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- 16. そしてもう片方を打ち込みます。
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- 17.両端が打ち込まれた状態で最後に真ん中を打ち込みます。
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- 18.全フレットの打ち込みを終えました。
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- 19.フィンガーボードからはみ出したフレットを切り取っていきます。
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- 20.切り取った後のフレットはこのようにエッジ状になっています。
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- 21.切り取り端の処理専用のファイルでエッジ処理を行います。
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- 22.反対側も同様にしてエッジ処理を行います。
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- 23.エッジ処理後のフレット端です。
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- 24.フレットすりあわせを始めましょう。まずは、マスキングテープとアクリル板でフィンガーボードとボディを保護します。
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- 25.すりあわせ準備完了です。
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- 26.すりあわせ部分を特定する目的で、直定規を当てて、凹んでいる部分に赤ペンでマークを入れていきます。
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- 27.マーク部分がすれるまでフラットファイルでフレットを削っていきます。
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- 28.赤いマークが削れています。このフレットの両隣のフレットとはフレット山が直線になっています。
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- 29.フレット山の断面が台形になっていますので、逆U字になるよう、専用のファイルで削ります。
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- 30.サンドペーパー(#400)で粗研磨します。
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- 31.研磨たわし(#600)で中研磨を行い・・・。
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- 32.さらに研磨たわし(#800)で細研磨を行います。
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- 33.最後はコンパウンドで最終研磨です
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- 34.フレットすりあわせは完了しました。アクリル板、マスキングテープをはずします。
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- 35.ピカピカのフレットはギターのよみがえりのサインみたいですね。
ナット作製
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- 1.後の工程でアジャスタブルサドル加工を行いますので、ナット作製を先に済ませて、弦を張れるようにしておきます。
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- 2.ナット溝にピッタリはまるように厚みを調整していきます
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- 3.ナットとネック、フィンガーボードに隙間がないように逆光を利用しながらナットの厚みをに調整していきます。
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- 4.厚みが決まりましたら、今度は高さを調整します。まず、少し高めにケガキ線を入れ、切り取ります。
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- 5.次にフィンガーボードの幅に合うようにサイドを少しずつ削っていきます。
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- 6.ヘッド側の放物曲面をつけました。ナットらしくなってきましたね。
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- 7.オリジナル・ナットと弦溝間隔定規を使って、弦溝位置を決めていきます。
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- 8.ナットの弦溝を彫り込んでいきます。少し高めで止めておきます。
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- 9.弦高調整前のナットの完成です
アジャスタブル・サドル加工~サドル作製
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- 1.ローズウッド材を切り出し、カンナでおおまかな大きさを削り出します。
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- 2.ほぼ直方体に削り出しました。
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- 3.大きさの微調整はベルトサンダーで行います。
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- 4.両端の丸みもサンダーでつけていきます。
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- 5.端はこんな感じに仕上がりました。
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- 6.ピッタリサイズの埋木が出来上がりました。
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- 7.サドル基準位置を決めるために治具を使って、ナットと12フレットの間の距離を測り・・・。
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- 8.その治具をサドル側に移して、マスキングテープに印を付けます。
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- 9.この治具は優れもので、先端のピン位置も調整できます。
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- 10.このラインがサドルの基準位置です。
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- 11.サドルの山位置および高さを調整する治具(イントネーター)の登場です。
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- 12.サウンドホールにチューナーをセットして、ピッチ調整の準備OKです。
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- 13.各フレットでピッチに狂いのないように、サドル位置と高さを調整していきます。(根気の必要な工程ですが、これでギターの音程が決定します)
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- 14.サドルのピーク位置をマークしていきます。
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- 15.サドルピーク位置をサドルの厚みで包含するようにサドル溝位置を決めます。
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- 16.サドル溝を掘る準備を行いましょう。ガイドとトリマをセットしたところです。
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- 17.トリマの刃がサドル溝をたどるように、ガイドを微調整します。
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- 18.切削加工中です。全神経をトリマの先端に集中します。
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- 19.切削加工が終了し、ガイド類を取り除きました。溝の出来映えにドキドキしています(笑)。
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- 20.マスキングテープを取って、中の切りかすを取り除くと、バッチリ溝が掘れていました。
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- 21.この段階で、ブリッジピン穴加工も同時に行ってしまいましょう。まず、糸鋸の刃で弦溝をサドル側に引いていきます。
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- 22.その溝をミニルータで削っていきます。弦が最もサドルにテンションを与えるようなスロープをつけていきます。
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- 23.ピン穴加工も完了しました。次はサドル作製です。
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- 24.サドルの厚さと幅を徐々に削り出します。
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- 25.ピッタリはまるようになりました。サドル上面はまだ平らなままです。
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- 26.ピッチ調整結果のサドルピーク位置をサドル上面に写していきます。
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- 27.ピーク位置を維持しながら、サドルの山を削っていきます。サウンドホール側は斜面に、ブリッジピン側は放物曲面にするのがコツです。
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- 28.完成したサドルに弦を張り、弦高調整を行いました。
ピックアップ取り付け
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- 1.取り付けるのはFISHMANのRareEarthBlendです。ケーブルが長めなので、長さを調整しピンジャックを付け替えます。
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- 2.エンドピン穴加工です。まず、ストラップピンをはずし、マスキングテープを貼ります。
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- 3.ドリルで12mmの穴を開けます。
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- 4.ピックアップ取り付け準備OKです。
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- 5.ピックアップを取り付けました。
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- 6.エンドピンジャックも取り付けました。弦を張って試奏しました。素晴らしい音を引き出すことが出来るようになりました。