リペア前の状況確認

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  1.　ネックのヒール部分です。見事に割れており、その上から多量の瞬間接着剤が流し込まれていました。
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  2.　1弦側からの写真です。どのように接合するか、悩ましいところです。
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  3.　フィンガーボードがネックから浮いています。
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  4.　浮きの範囲は6弦側でミドル～ハイフレットにわたっています。
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  5.フィンガーボードの1弦側です。こちらも瞬間接着剤が多く見られます。
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  6.フィンガーボードの下にスクレイパーを通してみました。瞬間接着剤の固着跡を通して、貫通してしまいました。
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  7.ブリッジにも浮きが見られます。
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  8.フレットも相当減っていますので交換することにします。

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  1.　これはネックヒーターという治具です。本来はネックの矯正に使用するのですが、目的は接着剤の軟化ですので、流用しました。
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  2.　温度は約100度くらいまで上がります。やけどをしないように注意しながら作業を続けます。
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  3.　フィンガーボードとネックが暖まってきた頃を見計らって、スクレイパーを差し込んでみます。接着剤の軟化を確認します。
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  4.ボディ側は、ほぼ外れました。トップ板クラックを痛めないように慎重にフィンガーボードをはずしていきます。
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  5.　ヘッド側はネックの熱が下がらない間に、2本のスクレイパーを使ってはずしていきます
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  6.　フィンガーボード取り外しの完了です。
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  7.　ヘッド側の状態は比較的良好です。
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  8.　ボディ側は接着剤の跡が多く、サウンドホールの周囲も予想以上に痛んでいました。
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  9.トラスロッドもはずしました。ロッド調整用のナット山がすり減って、ロッド調整が出来ない状態なので、ナット交換をします。
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  10.こちらがナットです。本来は六角形の穴なのですが、完全に丸い穴になっています。新しいナットに交換しましょう。

ネック・ヒール部の接着・接合

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  1.ヒール部割れ目にたまっている接着剤をスクレイパーで削り出します。
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  2.接着を行う前に、ネックを矯正位置に固定します。（ボルト穴を開ける際に矯正位置で開ける必要があります）
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  3.矯正した状態で、ドリルで穴を開けます。この穴はボンド注入とネジ止めの2つの目的がありますので、ネジの長さの深さまで開けておきます。
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  4. スポイトを使ってタイトボンドを流し込みます。ネック割れ部からあふれるまで流し込みます。
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  5.このくらいあふれ出してきましたら、今度はスクレイパーで割れ目の内側に塗り込んでいきます。
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  6.割れ目全体にタイトボンドが行き渡ったようです。
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  7.再び矯正位置に戻し、先ほど開けた穴にボルトをねじ込みます。
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  8.さびてこないようにステンレス製のネジを使いました。
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  9.矯正とネジ締めによってあふれたボンドをきれいにふき取り、乾燥させます。

トップ板クラック・リペア

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  1.サウンドホールのネック側にクラックがあります
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  2.このようなパッチを当ててリペアします。
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  3.2つのスプルース材のパッチで補強します。
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  4.パッチ材の角を削りました。
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  5.パッチ材を接着しました。丸く見えているのはマグネットです。
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  6.このマグネットは、見かけによらず、かなり強力でパッチ材をしっかりと抑えてくれます。
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  7.もう一方のパッチ材も角を削り、こちらはクランプで固定します。

フレット打ち直し～フィンガーボード接着

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  1.フィンガーボードのままフレットを抜いていきます。
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  2.全フレットを抜いた後、軽くサンディングし、フレット溝を掃除します。
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  3.フィンガーボードはフレット打ち込みの準備OKです。
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  4.フレットの打ち込みを終えました。（途中経過は省略しました）
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  5.フィンガーボードの接着準備です。フィンガーボード裏をスクレイパーで削っていきます。
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  6.ネック側も古い接着剤等をはがしとり平坦にします。
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  7.アジャスタブルロッドについている瞬間接着剤もはがしましょう。
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  8.ネックの溝にロッドをはめ込みます。
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  9.ロッド用のナットは新調しました。
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  10.フィンガーボードの接着準備が整いました。
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  11.接着にはHideGlue（ニカワ）を使用します。湯煎で暖めておきます。
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  12.クランプ類もスタンバっておきます。
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  13.まずネック側にHideGlueを塗っていきます。
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  14.ヘラでGlueを延ばしていきます。
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  15.フィンガーボードを上に載せ、Glueを両面に広げていきます。
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  16.これはフィンガーボードをネックに接着する際のバンドです。
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  17.接着を完了しました。HideGlueの乾燥を待ちましょう。
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  18.サウンドホール側はこのようにクランプで固定します。

ネック調整～フレットすり合わせ

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  1.フィンガーボードの固着を待ち、フレット端の整形を行います。
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  2.ネックの水平を直定規で確認します。
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  3.トラスロッドも調整します。
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  4.ボディとフィンガーボードをアクリル板とマスキングテープで保護します。
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  5.直定規で凹んだフレットを確認し、赤ペンでマークしていきます。
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  6.フラットファイルでフレットを削っていきいます。
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  7.フレット山を丸くしていきます。
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  8.#400～#600～#800のファイルで研磨していきます。
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  9.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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  10.プロテクタを外します。
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  11.再接着されたフィンガーボードにピカピカのフレットができあがりました。

ナット、サドル作製～最終調整

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  1.ナットスロットをクリーニングしました。
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  2.TUSQナットスラブを削っていきます。
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  3.ヘッド側の放物曲面をつけました。
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  4.完成したナットです。（途中経過は省略しました）
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  5.ブリッジはタイトボンドで固定しておきます。
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  6.TUSQサドルスラブを削っていきます。
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  7.ブリッジピン穴加工を施した後、サドルを整形しました。
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  8.ネック折れ部分はタッチアップを行いました。