Morris S-30
戻る大阪府にお住まいのY.I.さんからMorris S-30の調整依頼をいただきました。フィンガーピッキングには若干高い弦高を下げたい、というご希望です
ナット・サドルの調整とフレットすりあわせを行うことにより、Y.I.さんのスタイルに最も近づけることが出来ました
また、ブリッジピン穴加工も施しましたので、ボリュームを維持することが出来ました
ギターを受け取られたY.I.さんから早速、暖かいメッセージが届きました。Y.I.さん、ありがとうございました
今後ともよろしくお願い致します。
リペア後のギターを受け取りました。期待していた以上に弦高が低くなっていて、しかも、ビビり音が全くありません。これまでハイポジションコードが満足に押さえられなかったのですが、「こんなことに苦労していたのか」と思うくらい、簡単に音が出せるようになりました
フレットもピカピカになって、子供たちからも注目を浴びるようになりました。これからギターを弾いている時間が長くなってしまいそうです
リペアをお願いしてよかったです。どうもありがとうございました。
調整前の状況確認
-
- 1. 6弦12フレットで弦高3.5mmです。
-
- 2. 1弦12フレットで3mmの弦高です。
-
- 3. ブリッジピンが奥まで入っていません。こちらもリペアします。
-
- 4.直定規を当ててみたところ、順反りも若干大きく見られました。
-
- 1. 現状のナットの弦溝の深さを調整し、ナット弦高を下げます。まず、ストリングリフターで、弦をずらせます。
-
- 2. 弦溝専用ヤスリで弦溝を徐々に掘り込んでいきます。
-
- 3. 一気に掘り込むのではなく、全体に徐々に下げていきます。
-
- 4.最終調整段階前まで掘り終えたナットです。
-
- 1. ピン穴専用のリーマーで少しずつ広げていきます。
-
- 2. 一気に掘り込むと大きくなりすぎるので、徐々に広げていきます。
-
- 3. 6弦のピン穴だけ加工しました。
-
- 4. 1~5弦のピン穴も同じように広げていきましょう。
-
- 5.弦導出口も掘り込みましょう。加工前の写真です。
-
- 6.まず、糸鋸で溝を掘ります。
-
- 7.細い糸鋸の溝を掘り終えました。
-
- 8.ミニルーターで溝を広げながら、奥からの角度をつけていきます。
-
- 9.弦導出口の加工を終了しました。
-
- 10.サドル高を1~2弦を1.5mm、3~6弦を1mm下げます。
-
- 11.加工を終えたブリッジとサドルです。
フレットすりあわせ
-
- 1.フィンガーボードをマスキングテープで保護します。
-
- 2.ボディはアクリル板でプロテクトし、すりあわせ準備完了です。
-
- 3.直定規を当て、フレット山の直線性を確認します。
-
- 4.特にハイフレット側をフラットファイルですりあわせていきます。
-
- 5.フレット山を丸くするヤスリで角を取った後、紙ヤスリから研磨を始めます。
-
- 6.順に細かめの研磨たわしでフレットを磨いていきます。
-
- 7.研磨たわし最後は#800です。
-
- 8.最後はコンパウンドで磨き上げます。
-
- 9.ボディプロテクタとマスキングテープを取り外しましょう。
-
- 10.ピカピカに磨き上げられたフレットです。フレット山の凹凸もなくなり、最終弦高調整を待つばかりです。
-
- 11.調整後の弦高は6弦12フレットで2.5mmです。オリジナルから1.0mm下がりました。
-
- 12.1弦12フレットです。こちらは1.8mmです。