YAMAHA L-5S
戻る兵庫県にお住まいのT.D.さんからリペアのご依頼をいただきました。(同時にTakamine
TDP-512BLも調整のご依頼をいただきました)
年月を感じさせない保存状況の良さで、リペア後はビンテージの音色を奏でるようになりました
リペア後の二本のギターをお受け取りになったT.D.さんから暖かいメッセージをいただきました
T.D.さん、ありがとうございました
今後とも、よろしくお願い致します。
あれから帰宅し早速、弾いてみました
YAMAHAの方は、本当に弾きやすく、そして何より音が全く変わっておりました
よく言われる年月の経過に依る枯れた音は、私にはよく解りませんが、以前より確実に音がよくなっているのは解りました。また、音量、音の延び(サスティーン)が全然違いますね
これまで弾きにくさでほとんどケースから出されることがなかったこのギターですが、これからは弾く機会が増えそうです
タカミネの方は、これもまた弾きやすく、初心者と変わらない私にもすんなりとストレスなく弦を押さえることが出来るようになりました
本当にありがとうございました。
フレット交換
-
- 1. フレットをはんだごてで暖めながら、フレット抜き工具で抜いていきます。
-
- 2. フィンガーボードとバインディングを痛めないようにゆっくり作業を進めていきます。
-
- 3.最後に抜き取るときも焦らずゆっくりと抜くのが、フィンガーボードを傷めないコツです。
-
- 4.フレットを抜き終えたフィンガーボードです。
-
- 5.軽くサンディングします。このとき凸部を集中的に狙います。
-
- 6.サンディング中にも何度も平面を確認します。
-
- 7.サンディングを終えたフィンガーボードの表面です。
-
- 8.フレット溝にたまった削りカスやゴミなどをほじくり出していきます。
-
- 9.ゴミを吹き飛ばしながら、集塵します。
-
- 10.フレットの準備をしましょう。まず、フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
-
- 11.ボディ内部はジャッキで保護しておきます。
-
- 12.フィンガーボードの幅よりも少し大きめにフレットをカットします。
-
- 13.フレットを切った端の状態です。バインディング処理を行いましょう。
-
- 14.タングカッターでバインディング部の上にかかるタングをカットします。
-
- 15.タング部をカットしました。両端に同じ処理を行います。
-
- 16.まず一方の端を軽く打ち込みます。
-
- 17.次にもう片一方を打ち込みます。
-
- 18.そして中央部を打ち込みます。
-
- 19. この要領で打ち込んでいきましょう。
-
- 20. 6フレットまで打ち込み終わりました。
-
- 21. 全フレットを打ち終わりました。
-
- 22.次にはみ出した部分をカットしていきます。(カットしたフレット片が飛ばないように指でキャッチします)
-
- 23. フレット傾斜加工専用のファイルで削っていきます。
-
- 24. 反対側(1弦側)も同じように傾斜をつけていきます。
-
- 25. フレット端の処理を行います。このヤスリはフィンガーボードに傷が付かないようになっている特殊なものです。
-
- 26. 引き続いてフレットのすりあわせを行いましょう。フィンガーボードをマスキングテープで保護します。
-
- 27.フレットだけ覗くようにカバーが出来ました。
-
- 28.直定規でフレット山の直線性を確認します。凹んでいる部分にマーキングします。
-
- 29.フラットファイルで凹んだ部分が削れるまで(平面になるまで)、削っていきます。
-
- 30.フレット山を丸くするヤスリで平らになったフレット上部を削ります。(削りすぎないように注意します)
-
- 31.1.#400~#600~#800と順に細かい紙ヤスリで磨いていきます。
-
- 32.最後はコンパウンドで仕上げです。
-
- 33.マスキングテープ、プロテクタを外しましょう。
-
- 34.ピカピカのフレットになりました!
ブリッジピン穴加工
-
- 1.糸鋸の刃で弦の導出口をサドル側へ寄せます。
-
- 2.ミニルーターで糸鋸の溝を広げていくとともに、導出角度をつけていきます。
-
- 3.ブリッジピン穴加工を終了しました。
ナット溝クリーニング~ナット作成
-
- 1.ナットを外しました。比較的きれいなナット溝です。
-
- 2.よく切れる彫刻刀で古い接着剤とゴミを削り落とします。
-
- 3.クリーニングが終了しました。ナット作成に移りましょう。
-
- 4.ネックの幅に合わせてTUSQナット・スラブにケガキ線を入れます。
-
- 5.次は上面部をカットしましょう。フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
-
- 6.上部をカットしました。
-
- 7.ヘッド側の放物曲面を削りだしていきます。
-
- 8.弦溝加工前のナットです。
-
- 9.オリジナルナットの弦溝幅を弦溝定規を使って読み取ります。
-
- 10.弦溝位置を新しいナットにマーキングしていきます。
-
- 11.弦溝をマーキング位置に従って正確に掘り込みます。
-
- 12.弦高調整前のナット完成です。
サドル作製
-
- 1.サドル溝の幅に合わせてTUSQサドル・スラブにケガキ線を入れます。
-
- 2.サドルの幅と端の丸みを加工し、ブリッジに取り付けました。このときサドル底面がブリッジに密着していることを確認します。
-
- 3.サドル山の加工を行います。目標弦高よりも少し高めに止めておきます。
-
- 4.弦高調整前のサドルの完成です。
弦高調整
-
- 1.ストリングリフターで弦を待避させておきます。
-
- 2.ナット弦高を調整していきます。
-
- 3.弦高調整後のナットです。
-
- 4.サドルも最適弦高まで下げました。
-
- 5.リペア前の6弦12フレット弦高です。約4mmありました。
-
- 6.リペア後の弦高です。3mmに設定しました。
-
- 7.リペア前の1弦12フレット弦高です。約3mmありました。
-
- 8.リペア後は2mm弱に設定しました。