Gibson L-00
戻る広島県にお住まいのK.S.さんから1930年代の超ビンテージギターのリペアご依頼をいただきました
今回はフレット交換と弦周りのTUSQ化を行いました
70年前のギターの奏でる音は言葉にできないくらい素晴らしいものです。ギターの魂を今更ながらに感じることのできたリペアでした
リペア後、K.S.さんから暖かいメッセージが届きました。 K.S.さん、ありがとうございました
今後とも何卒よろしくお願い致します。
以前よりも断然押えやすく運指が楽になりました。期待以上の仕上がりで大変満 足しております こちらこそ何かありましたら、宜しくお願いします。ありがとうございました。
フレット交換
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- 1. フレットをはんだごてで暖めながら、フレット抜き工具で抜いていきます。
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- 2. フィンガーボードとバインディングを痛めないようにゆっくり作業を進めていきます。
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- 3.フレットを抜き終わるまで全神経をフレットに集中させます。
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- 4.全フレットを抜き終えました。
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- 5.全フレットを抜き終えた後、直定規を当てて、フィンガーボードの平面を確認します。
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- 6.軽くサンディングします。
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- 7.溝に残った削り粉やゴミなどを吸い取っていきます。
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- 8.フィンガーボードの準備完了です。
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- 9.フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
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- 10.ボディ内部はジャッキで保護しておきます。
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- 11.フィンガーボードの幅よりも少し大きめにフレットをカットします。
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- 12.まず片方を打ち込みます。
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- 13.そしてもう片方を打ち込みます。
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- 14.そして中央を打ち込みます。
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- 15.この要領で打ち込んでいきましょう。
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- 16.7フレットまで終わりました。
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- 17.すべてのフレットを打ち終えました。
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- 18.打ち込み直後のフレット端はこのように飛び出ています。
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- 19.飛び出た部分をカットします。このときカット片を失わないように確実に指で受けるようにします。
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- 20.カットしたフレット端はこのようにバリが出ています。
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- 21. 専用のヤスリでフレット端を斜めに整形していきます。
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- 22. 反対側(1弦側)も同じようにファイリングしていきます。
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- 23. ここで一旦フレットの削り粉をクリーニングしましょう。
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- 24.整形されたフレット端です。
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- 25. さらにフレットエンド専用のヤスリで切削角を取り除いていきます。
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- 26. このヤスリは側面だけがヤスリ面になっており、フィンガーボードがバインディングを傷つけないようになっています。
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- 27. フィンガーボードをマスキングテープで保護します。
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- 28. フレットだけをのぞかせてギター保護完了です。
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- 29.直定規を当てて凹んだフレット山にマーキングしていきます。
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- 30.直定規でマーキングした凹んでいる部分がすれるように、フレット山をすりあわせていきます。
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- 31.台形になったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 32.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 33.研磨タワシ(#600)でさらに研磨し・・・。
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- 34.さらに細かい研磨タワシ(#800)で研磨していきます。
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- 35.最後はコンパウンドで磨き上げていきます。
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- 36.ギターを保護していたアクリル板とマスキングテープをはがしましょう。
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- 37.フレット打ち直しが完了しました。ぴかぴかのフレットはいい音の予感を感じさせてくれます。
ナット交換
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- 1.オリジナルナットはエボニー材でしたが、新しいナットはTUSQ素材で製作します。
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- 2.ナットをはずしました。エボニーと厚く積まれた接着剤を通してネック材が見えています。
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- 3.まずエボニー材の残りを削っていきます。
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- 4.さらにそのしたの接着剤の層を削っていきます。
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- 5.ナット溝のクリーニングが終わりました。
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- 6.ネック幅に合わせてTUSQナットスラブを切り出します。
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- 7.ナット溝にフィットするよう、ナット・スラブを加工していきます。
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- 8.ナットとネック、フィンガーボードの密着度には十分時間をかけます。ここが良い音色になる大きなポイントです。
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- 9.逆光を利用すると効率的に隙間を見ることができます。
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- 10.フレットに合わせてナット切り取りケガキ線を入れます。
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- 11.ナット上部をカットしました。
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- 12.さらにヘッド側の放物曲面を削りだしていきます。
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- 13.ナットらしくなってきました。
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- 14.オリジナルナットの弦溝位置を専用の定規で読みとります。
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- 15.読みとった弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 16.専用のヤスリで弦溝を掘っていきます。弦高調整しろを残して、少し高めで止めておきます。
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- 17.弦を張って、弦高調整(ナット高調整)に移りましょう。
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- 18.弦の2フレットを押さえて1フレットと弦の隙間がなくなるようにナット弦溝を掘り下げていきます。
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- 19.ストリングリフターで弦を一旦待避しておきます。
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- 20.弦溝加工専用のヤスリで徐々に溝を掘り下げます。確認~掘り下げの作業を数回から十数回繰り返します。
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- 21.ぎりぎりまでナット高を下げました。このとき、1フレットの上から指でコンコンと弦をたたくと、クリック音が出ればOKです。
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- 22.同じ要領ですべての弦のナット高調整を終えました。
サドル作製~ブリッジピン穴加工
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- 1.イントネータとチューナを取り付けます。
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- 2.ピッチ調整を行います。ピッチが合わない場合は、イントネータのサドル山位置をずらして再度ピッチ確認を行います。
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- 3.サドルピーク位置と算出された目標サドル高をメモしておきます。
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- 4.サドル溝に合わせてTUSQサドル・スラブを切り出します。
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- 5.サドル底面の平面を削り出します。
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- 6.ぴったり溝にはまるようになりました。
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- 7.サドルとブリッジの密着性は良い音色のギターの条件です。
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- 8.先ほど算出したサドル高を書き込みます。
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- 9.サドル上部を切り取りました。
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- 10.サドル上面にピッチ調整で確認したピーク位置を書き写します。
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- 11.ピーク位置に合わせてオフセットをつけながらサドル山を削りだしていきます。
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- 12.オフセット・サドルが完成しました。
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- 13.引き続いてブリッジピン穴加工を行います。弦導出口をサドル側へ糸鋸で引き寄せます。
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- 14.糸鋸加工を終えたブリッジです。
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- 15.さらにミニルーターで溝を太く、導出角度をつけていきます。
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- 16.ピン穴加工を終えました。
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- 17.サドル作製、ブリッジ加工が完了しました。