Chaki W-70
戻る徳島県にお住まいのT.S.さんからChaki W-70のリペアご依頼をいただきました。リペア前は演奏できる状態ではありませんでした(弦も張れる状態ではありませんでした)
なんとか蘇らせて良い音を奏でてほしい、という気持ちにさせてくれたのは、このギター自身からのメッセージでした
リペア後は、弾きやすさ、音色ともに素晴らしいギターに変身しました
リペア後のギターを受け取られてT.S.さんからとても暖かいメッセージが届きました
T.S.さん、ありがとうございました。これからもChakiと一緒に素晴らしいギターライフを送られることをお祈りしております
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
Chaki W-70が帰ってきました。帰ってくる頃は、ワクワクとしていました。
ここ、5年ほどブリッジはがれ等で、ギターの弦高が高く、非常に引きにくい状態になっておりました
樋口様曰く、「弦も張れる状態ではなかった」、とのこと
ギターが帰ってきて、つま弾き、これが本来のChaki W-70の持っている音色なのか、としみじみ感慨にふけっています
このギターは約30年前に友人から譲ってもらったギターで、いろいろと想い出のあるギターでした
今回樋口様にリペアを施していただき、私が持っている「モノ」の中で、いつの間にか、一番長く、かつ、手に触れている「モノ」になっていることに改めて気づきました
Chaki W-70のリペア、本当にありがとうございました
リペアファイルを拝見し、丁寧なリペアに感謝しております
今後とも、心のこもった素晴らしいリペアを続けてくださることを祈っています。
初めてメールさせてもらいます
今回チャキW-70のギターのリペアをお願いしましたT.S.の友人であり、元オーナーです
何年か前にブリッジが浮いていて、リペアを勧めたのですが、今回リペアにとても満足しており、これがチャキか?とギターを手にして驚いているようです
1974か5年に当時7万円程度で購入いたしました。このチャキは当時マーティン、ギブソンと同じガラスケースの中に陳列されており、購入を決意し、ガラスケースから出してもらった時の興奮は今も忘れられない思い出です。(当時の7万円は学生の私にとっては血のにじむお金でしたが)
しかし、数年後マーティンD-18の購入を決意し、資金捻出のため、同郷で1年先輩のT.S.に購入していただきました
今マーティンを初め70年代の日本のギターを何台か所有しています。仕事をリタイアした後、フォークギターの好き人、仲間が集まってギターを弾けるような場所を提供できればと思っています。ギターの製作にも興味があり、なんとかチャレンジしたいと考えています
今は仕事の関係で海外にいますが、日本に戻りましたら、ぜひ小生のギターもリペアをお願いいたします
今回はチャキのリペア、また丁寧な写真解説ありがとうございました。
その後、このギターの元オーナーのM.M.さんからメールをいただきました。(上の文面です)
お二人に見守られ続けてきたギターと、ギターを通して友情を育んでこられたT.S.さん、M.M.さんとお知り合いになれて、本当に嬉しく思っています
M.M.さん、いつか夢を叶えてくださいね。応援しています
この度はご連絡をいただき、ありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
リペア前の状況確認
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- 1. 6弦12フレットの弦高です。5mmあります。
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- 2. 同じく1弦側の弦高です。こちらは6mm弱あります。
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- 3. ネックの延長線とブリッジの交差する高さは・・・。
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- 4. この位置です。
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- 6.
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- 7. ブリッジがトップ板から浮いています。また、トップ板は大きく膨らんでいて、弦を張ろうとすると、ブリッジやボディ内部からピキピキとか、ミシッとかいう音が出ます。
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- 8. ネックヒール部分です。ネックがボディからはずれかけています。また、ボディ内部にあるネックブロックもはずれかけています。
ネックリセット
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- 1. 弦を外して、もう一度フレット面のブリッジ高を測定します。目盛りは5mmを指しています。
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- 2.ターゲットのフレット面を12mmに設定し、オリジナルよりも7mm上げることにします。
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- 3. 15フレットをハンダゴテで暖めながらゆっくりと抜いていきます
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- 4. フレット溝の下にあるネックポケット(ネックとボディの接合スペース)にドリルで貫通穴を開けておきます。
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- 5. フィンガーボード取り外しのためにラバーヒーターを使います。
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- 6. ラバーヒーターを当て木でサンドイッチします。周囲は輻射熱を防ぐために保護しておきます。
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- 7.クランプで当て木を固定し、ヒーターに通電します。徐々に温度を上げていきます。
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- 8.数分後、ヒーター類を外してフィンガーボードの下にナイフ(スクレイパー)を差し込みます。
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- 9.ナイフを差し込んでいきます。接着剤が熱で軟化しているのがわかります。
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- 10.フィンガーボードがボディからはずせましたので、次にネックを蒸気ではずします。まず専用のジグを取り付けます。
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- 11.蒸気発生用のエスプレッソメーカーにホースと蒸気注入ジグを取り付けます。
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- 12.ボディ全体を若干上に上げて、蒸気が冷えた水分がボディ内部に入らないようにします。さらにタオルを敷いてギターから出てくる蒸気を受けるようにしておきます。
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- 13.トラスロッド調整用のナットも外しておきます。(このナットはネックと一体になっています)
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- 14. 蒸気注入して数分後にボディとネックが離れます。カクンという音がします。
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- 15.ゆっくりとネックを外していきます。
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- 16.ネック取り外し完了です。(フィンガーボード中央に見えるのがトラスロッドです)
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- 17.ボディ側のネックブロックがボディからはずれていますので、ネックリセットの前にこちらを固着しましょう。
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- 18.ボディとネックブロックの間に接着剤を注入し、クランプ類で固定します。
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- 19.ボディ内部も当て木を当ててネックブロックを固定します。
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- 20.ヒール側の浮きもロングクランプで固定します。
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- 21.固着完了したネックブロックです。
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- 22.ネックの削り部分をマスキングテープでマーキングします。
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- 23.まず目標ネックヒール部分を傾斜45度に削ります。
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- 24.この傾斜を目標にネック接合部切削加工を行います。
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- 25.ネックとボディの接触部分(ヒールサイド部)を平面状にサンディングしていきます。
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- 26.反対側も同じようにサンディングしていきます。この部分はネック接合角度にとてもデリケートな部分ですので、慎重に作業を進めます。
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- 27.ヒール中央部分はノミでカットしていきます。(良く研いだのみを使います)
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- 28.一次加工を終えたネック接合部です。
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- 29.さらにネック・ダブテイル部の際をノミで削っていきます。良く研いだノミが作業の効率向上と出来映えの良さのポイントとなります。
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- 30.次はネック接合部の微調整と密着性向上を行います。まず、ボディ側にマスキングシートを張ります。
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- 31.ネックを取り付け・・・。
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- 32.ネックとボディの間にサンドペーパーを挟みます。
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- 33.そしてサンドペーパーを引き抜きます。これでネック接触部の微調整が行えます。
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- 34.反対側も同じように行います。この際、左右の引き抜き回数を同じにしておきます。(後の工程でネックの傾きを微調整する際は左右の引き抜き回数を変えます)
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- 35.ネックの接合部底面を削る、というイメージを持ってサンドペーパーを引き抜くのがこつです。
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- 36.ある程度、調整が進んだ段階でネックの直線性を確認します。直線のケガキ線を書き込んだアクリル板を乗せます。
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- 37.ナットの中央部と、
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- 38.ネック接合部の中央、そして・・・
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- 39.ブリッジの中央部が一直線上に並ぶことを確認しながら、ネック接合部の微調整を続けます。
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- 40.ヘッド側からネック、ブリッジを見通してネックの接合イメージを確認しながら作業を繰り返します。
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- 41.調整が終了しました。接合準備完了したボディです。
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- 42.同じくネック接合部です。不安がある場合は何度もシミュレーションを繰り返してネック接合イメージングを繰り返します。
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- 43.ネック接合に「完璧な自信」ができたところで、HideGlue(ニカワ)を塗ります。
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- 44.ヘラで全体に均一に広げます。
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- 45.接合を始めます。
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- 46.ゆっくり押し込み、クランプで固定します。
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- 47.接合部からあふれた接着剤はきれいにふき取っておきます。このまま数日間、固着を待ちましょう。
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- 48.ネックリセット後の弦高です。6弦側は2.2mmです。
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- 49.1弦側は1.8mmです。
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- 50.サドル高も十分確保できました。この高さはボディへの弦の振動を有効に伝えるポイントです。
ブリッジプレート・リペア
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- 1.リペア前のブリッジプレートです。横方向に剥がれており、弦のエンドポールがプレートの中に食い込んでいます。
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- 2.こちらはリペア前のブリッジです。弦の巻き部分がブリッジの上まで上がってきています。
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- 3.メイプル材をプラグ削りだし専用のビットを使って削り出します。部材から切り離れる直前で止めます。
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- 4.プラグを削り出しかけたメイプル材です。
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- 5.プラグの中央にポンチで凹みマークを入れます。
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- 6.プラグ中央部に小穴(1.5mmφ)をあけます。
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- 7.中央部に穴が空いたプラグです。
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- 8.プラグを切り出しました。
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- 9.次にブリッジプレート側にプラグに合う凹み加工を行います。これは専用カッターです。
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- 10.このカッターをボディ内部側から(ブリッジプレート側から)ブリッジピン穴を通して出し・・・。
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- 11.ベースとハンドルを取り付けたあと・・・。
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- 12.ハンドルを回すとカッターが回転し、ブリッジプレートに凹み加工が行えます。
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- 13.指にマスキングテープを接着面を外側にして巻き付け、先ほど作製したプラグを仮固定します。
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- 14.タイトボンドをプラグ表面に塗り・・・。
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- 15.ボディ内部からプラグをボルトごと引っ張ります。
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- 16.まず1,3,5弦のプラグをを固定しました。 この3つが完全に固着した後、2,4,6弦を加工します。
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- 17.2,4,6弦のブリッジプレートを同様にしてカッターで加工します。
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- 18.2,4,6弦に凹み加工を行いました。
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- 19.同様にプラグをボディ内部から接着します。
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- 20.ボルトを引っ張った状態でボディ内の指を引き抜きます。
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- 21.6弦分のプラグ装着が完了しました。
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- 22.プラグが完全固着した状態で、 プラグにブリッジピン穴をあけます。プラグに正確に穴が空くよう、一つずつあけていきます。
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- 23.ボディ内部は当て木を使ってプラグのエッジが正確に穴空けされるようにしておきます。
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- 24.プラグにブリッジピン穴が空きました。
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- 25.弦を張りました。弦のエンドポールがブリッジプレートの上にきれいに並んでいるのがわかります。
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- 26.弦の巻き部分もブリッジの上には見えません。本来の位置に落ち着きました。
フレット交換
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- 1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
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- 2.全神経をフレットプラーとハンダゴテの先に集中します。
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- 3.フレットプラーでフィンガーボードを軽く押さえながらフレットをはさみ取るのがコツです。
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- 4.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
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- 5.すべてのフレットを抜き終えました。
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- 6.フィンガーボードを軽くサンディングしました。
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- 7.ここで一旦フレット溝に詰まったゴミを取り除きます。
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- 8.さらにフレット溝の底にたまったゴミをクリーナー・エッジでこすり取ります。
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- 9.このときもフレット溝エッジを傷つけないように注意します。
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- 10.こすり取れたゴミです。
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- 11.クリーニングを終えたフィンガーボードです。
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- 12.新しいフレットを打ち込み始める前にボディ内をジャッキでプロテクトしておきます。
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- 13.フレットワイヤーに均一にアールをつけていきます(フレットベンダーというジグです)
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- 14.フィンガーボードの幅よりも少し大きめにワイヤーをカットします。
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- 15.カットし終えたフレットワイヤーの端です。
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- 16.バインディング処理を行い、フレット端を整形します。
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- 17.バインディング処理を終えたフレット端です。
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- 18.切り取られた金属片は見失わないよう、確実に集めておきましょう。
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- 19.まず片一方を打ち込みます。
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- 20.もう片方を打ち込みます。
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- 21.最後に中央部を打ち込みます。
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- 22.この要領で打ち込みを続けましょう。
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- 23.ミドルフレットまで打ち込み終えました。
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- 24.全フレットを打ち終えました。
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- 25.打ち込み終わったフレットの端はこのように飛び出ています。
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- 26.飛び出した部分をカットします。このとき切れ端が行方不明にならないように指先で受けます。
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- 27.フレット端をカットしました
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- 28.専用のヤスリを使ってフレット端を整形します。
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- 29.1弦側のフレット端も同じように整形します。
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- 30.一旦フレットの削り粉をクリーニングしましょう。
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- 31.整形されたフレット端です。
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- 32.さらにフレット・エンド・ドレッシング・ファイルでバリを取っていきます。
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- 33.引き続いてフレットすりあわせを行いましょう。
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- 34.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 35.マークされたフレットの両隣を中心にサンディングしていきます。
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- 36.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 37.さらにサンディングペーパー(#400)、研磨タワシ(#600→#800)で研磨を進めます。
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- 38.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 39.プロテクタ類を外しましょう。
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- 40.ピカピカのフレットになりました。
ブリッジ脱着
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- 1.オリジナル状態のブリッジです。
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- 2.ラバーヒーターを使ってブリッジの加熱を行います。
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- 3.クランプでヒーターをサンドイッチにします。
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- 4.徐々に熱を上げていきます。
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- 5.ブリッジ接着面が熱を持っている間にナイフ(スクレイパー)を軟化した接着層に押し込んでいきます。
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- 6.このとき、接着剤はゲル状になっています。夏の車内にギターを置くのは絶対に避けましょう!
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- 7.ブリッジ取り外し完了です。
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- 8.ブリッジ裏についている接着剤をクリーニングします。
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- 9.トップ板側の接着面もクリーニングします。
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- 10.クリーニング完了です。
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- 11.HideGlue(ニカワ)を接着面に塗っていきます。
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- 12.ブリッジを接着位置にゆっくり置きます。
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- 13.位置決めを行った後、クランプで固定します。
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- 14.このまま数日間固着を待ちましょう。
ナット交換
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- 1.ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が見られます。
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- 2.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 3.クリーニング完了したナット溝です。
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- 4.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出した後、ネック・フィンガーボードとの接触面の平面を出していきます。
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- 5.ナットの厚みを出し、ナット取り付け位置に密着することを確認します。
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- 6.この密着度がギターの音色に大きく影響を与えるポイントの一つです。
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- 7.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 8.ナット上部を切り取りました。
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- 9.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 10.ナットらしくなってきました。
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- 11.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 12.新しいナットに読みとった弦溝位置を書き込んでいきます。
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- 13.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 14.弦高調整前のナットができあがりました。
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- 15.弦を張って弦高調整を行います。この写真は6弦の調整を行っている様子です。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 16.ストリングリフターで弦を待避させておきます。このジグのおかげで弦を緩めたり張ったりすることが必要なくなりました。
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- 17.ナットの弦溝を徐々に掘り下げていきます。削っては隙間を確認し、の繰り返しを行います。
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- 18.同じ要領ですべての弦を調整しました。弦高調整後のナットです。
ブリッジピン穴加工
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- 1.糸鋸の刃で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 2.糸鋸加工後のブリッジです。
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- 3.ミニルーターで糸鋸の溝を太くし、角度をつけていきます。
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- 4.ブリッジピン穴加工が完了しました。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認したあと、サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます
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- 3.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します
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- 4.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 5.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドル高のの切り出しを終えました。
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- 8.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 9.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 10.オフセットサドルが完成しました。
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- 11.弦を張って弦高を確認しましょう。
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- 12.ネックリセットの効果で6弦12フレットの弦高は2mm強になりました。
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- 13.1弦は1.8mm程度です。
トップ板ブレイシングリペア
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- 1.トップ板には大きなXの字を描くブレイシング(力木)があります。
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- 2.今回はXの字の下片方が完全に剥がれていました。
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- 3.また、これ以外にも数カ所の剥がれも見つかりました。
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- 4.ブレイシング浮き部分にタイトボンドを注入し、クランプで固定します。