Gibson B-25
戻る大分県にお住まいのK.K.さんからGibson J-45, J-50に引き続き、3本目のギターリペアのご依頼をいただきました 今回の前回の2本と同じく、アジャスタブルサドルのスロット化、フレット交換、ペグ交換、弦周りのTUSQ化を行いました リペア後のギターを受け取られてK.K.さんから暖かいメッセージが届きました。本当にありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
先ほどギターを受け取りました
J-45も50もそうでしたが今回も同じギターとは思えない程の音の蘇り?(もしかしたら新品時以上!)が確認できました
いろんなショップで試奏しましたがこんなに鳴るギターには出会えませんでした。アジャスタでこもっていた音が見事にスキッとした感じで気持ちよくサウンドホールから溢れでています。フレットも新品になったおかげで軽いタッチで音が切れます
今回で3本目のギブソンの私の愛器ですが、本当に樋口様の格安のリペアで経年40年のいい感じに乾いた板が気持ちよく振動している感じが伝わってきます。今回のギターは私にとって使用頻度の高いリビング用で、一番身近なギターなのでこれからのギターライフが本当に楽しみです
本当にありがとうございました
ラインを引いてもらったのでライブでも使用しようと思っています
今後もメンテ共々よろしくお願いします。まずは、お礼まで・・・。
リペア前の状況確認
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- 1. アジャスタブル・サドルはスロットタイプに交換し、音響特性の向上を狙いました。
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- 2. オリジナルペグは安定したチューニングを維持できない状態ですので交換することにしました。
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- 1. はんだごてでフレットを暖めながらフレットを抜いていきます。
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- 2. 山の部分がすり減ったフレットですので、 なかなか難しい作業です。
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- 3. 根気よく、ゆっくりと抜いていきます。
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- 4. この要領でフレットを抜いていきましょう。
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- 5. 全フレットを抜き終えました。
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- 6.フィンガーボードが弦方向に直線であることを確かめておきます。
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- 7. フィンガーボードを軽くサンディングします
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- 8. サンディング後のフィンガーボードです。溝に削りかすやゴミがたまっています。
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- 9. フレット溝に入ったサンディングの粉を取り除きます。
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- 10. フレット溝がきれいになりました。
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- 11.フレットの準備です。フレットワイヤーにアールをつけていきます。
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- 12.フィンガーボードの幅よりも少し大きめにフレットをカットします。
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- 13.フィンガーボードの湾曲度を測定します。
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- 14.フレットプレスジグ(その1)です。
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- 15.フィンガーボードのアールに合った先端ビットを取り付けます。
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- 16.フレットにジグを軽く乗せます。
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- 17.クランプの要領でプレスを行うと、フレットが溝に埋め込まれていきます。
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- 18. ネックとボディの接合部分付近までこのジグでプレスします。
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- 19.次のジグです。ネックとボディの接合部分のフレットをプレスします。
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- 20.ネジを締めてプレスを行います。
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- 21.残りのフレットはこのジグでプレスします。
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- 22.すべてのフレットを打ち終えました。
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- 23.フィンガーボードからはみ出したフレットを切り取ります。このとき、切れ端を失わないように、指で受け止めます。
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- 24.フレット端の整形を行います。専用のヤスリで端を削っていきます。
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- 25.反対側(1弦側)も同じようにフレット端の傾斜面をつけていきます。
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- 26.さらにフレットエンド・ドレッシングファイルでバリを取って行きます。
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- 27.フレットすりあわせを始めましょう。まずは、マスキングテープとアクリル板でフィンガーボードとボディを保護します。
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- 28.すりあわせ準備完了です。
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- 29.すりあわせ部分を特定するために直定規を当てて、凹んでいる部分に赤ペンでマークを入れていきます。
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- 30.マーク部分がすれるまでフラットファイルでフレットを削っていきます。
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- 31.フレット山の断面が台形になっていますので、逆U字になるよう、専用のファイルで削ります。
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- 32.サンドペーパー(#400)で粗研磨します。
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- 33.研磨たわし(#600)で中研磨を行い・・・。
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- 34.さらに研磨たわし(#800)で細研磨を行います。
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- 35.最後はコンパウンドで最終研磨です。
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- 36.フレットすりあわせは完了しました。アクリル板、マスキングテープをはずします。
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- 37.ピカピカのフレットはギターのよみがえりのサインみたいですね。
ナット作製
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- 1.後の工程でアジャスタブルサドル加工を行いますので、ナット作製を先に済ませて、弦を張れるようにしておきます。
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- 2.まず最初にナット溝をクリーニングしましょう。よく切れる彫刻刀で古い接着剤などを削り落としていきます。
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- 3.ナット溝のクリーニング完了です。
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- 4.TUSQナット・スラブをネックの幅に合わせて切り出します。
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- 5.ネックに密着するよう、ナットの底面側面処理を行います。
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- 6.次に上面の切り出しを行います。ケガキ線を入れた後、カットします。
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- 7.ヘッド側に放物曲面を描きました。と同時に、サイドの幅も合わせ込みます。
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- 8.弦溝位置を専用の定規でマーキングします。(オリジナルナットに弦溝位置を合わせます)
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- 9.弦溝専用のヤスリで浅めに弦溝を掘っていきます。後で行う弦高調整しろを残す程度の深さにとどめておきます。
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- 10.弦高調整前のナットの完成です。
アジャスタブル・サドル加工~サドル作製
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- 1.ローズウッド材を切り出し、カンナでおおまかな大きさを削り出します。
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- 2.ベルトサンダーで徐々に最終形の輪郭に近づけていきます。
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- 3.両端の丸みもサンダーでつけていきます。
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- 4.徐々に丸みをつけていきます。
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- 5.高さを残して、ピッタリはまる埋木が出来ました。
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- 6.高さを合わせてカットし、埋木の完成です。
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- 7.サドル基準位置を決めるために治具を使って、ナットと12フレットの間の距離を測り・・・。
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- 8.その治具をサドル側に移して、マスキングテープに印を付けます。
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- 9.この治具は優れもので、先端のピン位置も調整できます。
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- 10.基準位置にイントネーターをセットします。
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- 11.サウンドホールにチューナーをセットして、ピッチ調整の準備OKです。
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- 12.各フレットでピッチに狂いのないように、サドル位置と高さを調整していきます。(根気の必要な工程ですが、これでギターの音程が決定します)
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- 13.サドルのピーク位置をマークしていきます。
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- 14.同時に目標弦高からサドル高を算出して記録しておきます。
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- 15.サドルピーク位置をサドルの厚みで包含するようにサドル溝位置を決めます。
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- 16.サドル溝を掘る準備を行いましょう。ガイドをセットしたところです。
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- 17.トリマの刃がサドル溝をたどるように、ガイドを微調整します。
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- 18.切削加工中です。全神経をトリマの先端に集中します。
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- 19.切削加工が終了しました。。
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- 20.マスキングテープを取って、中の切りかすを取り除くと、バッチリ溝が掘れていました。
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- 21.この段階で、ブリッジピン穴加工も同時に行ってしまいましょう。まず、糸鋸の刃で弦溝をサドル側に引いていきます。
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- 22.その溝をミニルータで削っていきます。弦が最もサドルにテンションを与えるようなスロープをつけていきます。
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- 23.ピン穴加工も完了しました。次はサドル作製です。
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- 24.TUSQサドルスラブを溝にピッタリはまるように切り出します。
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- 25.先ほどのイントネーターの高さに合わせて上面をカットしました。
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- 26.サドルピーク位置をサドル上面部に書き写していきます。
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- 27.ピーク位置を維持しながら、サドルの山を削っていきます。サウンドホール側は斜面に、ブリッジピン側は放物曲面にするのがコツです。
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- 28.ピーク位置を削りだしたサドルです。
ペグ交換
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- 1.オリジナルペグです。この形式と全く同じものが見つかりませんでしたので、できるだけ近い形のものを選びました。
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- 2.オリジナルペグを外しました。
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- 3.新しいペグ・ブッシュがオリジナルより径が大きいことがわかりました。
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- 4.リーマーでブッシュ穴を広げます。
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- 5.ブッシュがピッタリ入る穴になりました。
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- 6.少しきつめの穴加工して、クランプで押し込むようにして固定しました。
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- 7.全てのブッシュの取り付けを終えました。
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- 8.ヘッド裏側から新しいペグをネジ止めしました。
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- 9.とても堅固なペグに変身しました。
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- 10.早速弦を張りました。安定したチューニングの復活です。
弦高調整
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- 1.2フレットを指で押さえて、1フレットと弦がぎりぎりまで近づくようにナット高を調整します。
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- 2.ストリングリフターで弦を待避しておきます。
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- 3.弦溝専用ヤスリで少しずつ溝を深く掘っていきます。このときも弦とナットの接触イメージをしながら作業を進めます。
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- 4.もう少し、というところで止めておきます。
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- 5.ナットを溝に接着した後、最終調整してナットの完成です。
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- 6.サドルも弦高調整を終えました。
エンドピンジャック取り付け
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- 1.エンドピンジャックの取り付けを行いました。オリジナルのエンドピンを抜きました。
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- 2.マスキングテープを貼って、12mm径の穴をあけました。
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- 3.マスキングテープを外しました。
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- 4.エンドピンジャック取り付け完了です。(ピックアップはオーナー様が取り付けられます)