Takamine PT-118
戻る福岡県にお住まいの山本さんからTakamine PT-118のリペアご依頼をいただきました
弦周りのTUSQ化、ペグ交換、およびバインディング補修、レタッチを行いました
リペア後のギターを受け取られて、山本さんから暖かいメッセージが届きました
山本さん、この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、誠にありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願い致します。
福岡の山本です
先ほど仕事から帰ってみるとギターが届いていて、早速弾いてみました
いやいや、以前より音の輪郭がはっきりしていて、以前とは全く違った感じになっています
全体的に音量もアップした感じです。リペアでここまで変化するものだと、ただただ感心しています
ボディの傷とバインディングの縮みも目立たなくしていただいてありが とうございました
若い時無理して買ったギターで色々な想い出もあります
今後もずっと大切に付き合って行こうと思います
寒い季節がまだまだ続きますが樋口さんも
お体に気をつけ頑張ってください。
ナット溝クリーニング~ナット交換
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- 1. ナットを外しました。比較的きれいなナット溝です。ほとんど接着剤やゴミは見あたりません。
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- 2. 薄く残っている接着剤を削り取っていきます。
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- 3.クリーニングが終わったナット溝です。
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- 4.ナットスラブをネック幅に合わせて切り出します。
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- 5.接触面を平面に加工します。
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- 6.この段階でナット溝に密着していることを確認しておきましょう。(いい音になるポイントです!)
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- 7.逆光を利用するとわずかな隙間も見つけることができます。隙間がなくなるまでナット底面・側面を調整していきます。
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- 8.フィンガーボード側からも密着を確認したあと、フレット高にあわせてケガキ線を入れます。
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- 9.ナット上部をカットしました。
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- 10.ヘッド側の放物曲面を削りだしていきます。弦の接触面積とペグからの突入角度をイメージしながら削り出します。
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- 11.ヘッド側の加工が終わりました。ナットらしくなってきました。
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- 12.オリジナルサドルから弦溝ピッチを読みとっていきます。弦溝加工専用の定規を使っています。(低音弦になるほど弦溝間隔が広くなっています)
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- 13.読みとった弦溝位置を新しいナットにマーキングしていきます。
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- 14.弦溝専用のヤスリで掘っていきます。ヤスリの幅は弦ごとに違っており、使用する弦のゲージで決定します。
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- 15.弦溝を掘り終えました。弦高調整前のナットです。
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- 16.弦高調整を行います。6弦を調整します。2フレットを指で押さえて、1フレットと弦がぎりぎりまで近づくようにナット高を調整します。
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- 17.ストリングリフターで弦を待避しておきます。
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- 18.弦溝専用ヤスリで少しずつ溝を深く掘っていきます。このときも弦とナットの接触イメージをしながら作業を進めます。
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- 19.ナットを溝に接着した後、最終調整してナットの完成です。
サドル作製~ブリッジピン穴加工
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- 1. Takamine独自の分離型サドルです。各々サドル溝に合わせて切り出します。
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- 2. ナットスラブを切り出しました。
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- 3. サドルとブリッジの密着度を確認しておきます。(ここもいい音になるポイントの一つです)
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- 4. サドル上部を切り取りました。
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- 5. 引き続きブリッジピン穴加工を行いましょう。糸鋸の刃でピン穴の弦導出口をサドル側へ移動します。
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- 6. 弦溝がサドル側へよりました。
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- 7. 糸鋸の溝をミニルーターで広げながら弦の導出角度をつけていきます。
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- 8. ブリッジピン穴加工が完了したブリッジです。
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- 9.弦高調整完了したサドルです。
ペグ交換
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- 1.リペア前のペグです。ノブが一つとれてしまっています。型式が古いため、ノブだけの交換部品が見あたらず、ペグ全体の交換を行うことにしました。
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- 2.古いペグを外しました。
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- 3.ヘッド部裏側のペグ取り付け穴を埋木しました。
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- 4.新しいペグを取り付けました。
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- 5.ヘッド部表面です。
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- 6.弦を張りました。とてもスムーズにチューニングができました。
バインディング収縮部リペア
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- 1.リペア前のバインディングです。経年で収縮しているのがわかります。
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- 2.新しいナットを接着する前に、バインディング内側の白い部分の厚みを切り出します。
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- 3.フィンガーボードに接着しています。
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- 4.白い部分の固着が終わりました。
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- 5.フィンガーボード縁に合わせて白いバインディングをカットします。
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- 6.内側のバインディング補修完了です。
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- 7.ナットを取り付けた状態でローズウッドの薄い部材を切り出します。
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- 8.ピッタリの厚みの部材ができました。
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- 9.部材をバインディングに合わせてカットします。
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- 10.外側の部材をカットし終えました。
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- 11.ラッカーを塗り、乾燥させます。
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- 12.バインディング収縮リペアの完了です。
トップ板打痕跡レタッチ
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- 1.レタッチ前の打痕跡です。透明黒の塗装に不透明の塗料が塗られています。
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- 2.古い塗料をはがしました。
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- 3.木部に塗料がしみこまないように濃いめのシェラックニスでウォッシュコートします。
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- 4.ウォッシュコートが終わった打痕跡です。
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- 5.さらに透明黒のラッカーを上塗りしていきます。
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- 6.ラッカーが乾燥するまで待ちましょう。
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- 7.盛り上がったラッカーをカミソリで削り、研磨します。
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- 8.レタッチ完了です。(ブラックボディに限らず、全体塗装されたボディの傷を完全に消すのは難しいです)