Martin D-18
戻る兵庫県のお住まいのY.O.さんから2本のギターリペアご依頼をいただきました。まずはMartin D-18です。(2本目はFurch
G23CRです)
弦周りのTUSQ化を行うとともに、ナットの弦溝位置の最適化を行いました。
この度は、ありがとうございました
お忙しい中、お時間いただき初歩的なご質問等、お答えいただいてありがとうございました
あらためて自宅で弾いてみると、Furchは、もともと音に関して特に不満はありませんでしたが、3・4弦のびびり音解消でナットとサドル交換により、さらにみがきがかかりました
D-18は、弦間隔調整により弾き易くなり、又、低音弦での曇ったような音がはっきりとした音でよく聞こえるようになりました。いままで、自分なりにサドルでの弦高調整をしていましたが、ただ弦高を低くすれば弾き易くなると思っておりました
樋口様の調整は、音と弾き易さのバランスが絶妙ですね。 樋口様に失礼ですが、さすがにプロですね
私は、これから弾きこもり状態になりそうです。ギターに恥ずかしくないように練習します
又、次回もよろしくお願いいたします。
Y.O.さん、とても暖かいメッセージをいただき、ありがとうございました。両方のギターとも「とても素直な」ギターでした(笑)。私の拙い経験ですが「ここをこうすると、こうなる(はず)」という道筋を2本とも再現してくれました
Y.O.さんの傍らでこれからもギター達が活躍されることをお祈りしております
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、誠にありがとうございました
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
ナット作製
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- 1.ナットをはずします。当て木を当てて軽くコンとたたきます。
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- 2.ナットが取れました。
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- 3. リペア前のナット溝です。薄く古い接着剤の跡が見られます。
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- 4.良く研いだ彫刻刀で古い接着剤を削っていきます。
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- 5.ナット溝がきれいになりました。
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- 6.ネックの幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.ネックとフィンガーボードの接触面の平面を削りだしていきます。
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- 8.ナット位置にピッタリはまるように加工しました。
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- 9.1弦側からもナットの接触状態を確認します。
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- 10.逆光を使うとわずかな隙間も見つけることができます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 13.少し高めにカットしました。
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- 14.ヘッド側の傾斜を削り込んでいきます。
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- 15.ナットらしくなってきました。
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- 16.オリジナル・ナットの弦溝幅を専用の定規で読みとります。
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- 17.読みとった弦溝幅を新しいナットに書き込んでいきます。(今回は、Y.O.さんからのご要望で、1弦側の溝を6弦側に寄せるようにしました)
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- 18.弦溝加工専用のヤスリで溝を掘り込んでいきます。
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- 19.弦高調整前のナットができあがりました。(手前にあるのがオリジナルナットです。弦溝幅が修正されたことが確認できます)
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- 20.弦を張って弦高調整を行います。この写真は6弦の調整を行っている様子です。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 21.ストリングリフターで弦を待避させておきます。このジグのおかげで弦を緩めたり張ったりすることが必要なくなりました。
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- 22.ナットの弦溝を徐々に掘り下げていきます。削っては隙間を確認し、の繰り返しを行います。
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- 23.ギリギリのところで止めておきます。この要領で他の弦もナット高の調整を行います。
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- 24.弦高調整後のナットです。
ブリッジ・サドル溝加工~サドル作製
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- 1.イントネーターとチューナを使ってサドル山の位置を確認していきます。
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- 2.イントネーターでサドルの山位置を調整しながら全てのフレットのピッチを確認していきます。
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- 3.イントネータのサドル山位置と、目標弦高が確定しましたので、紙に記録しておきます。
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- 4.ブリッジピン穴加工を行います。まず糸鋸の刃で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 5.さらにミニルーターで導出角度をつけていきます。
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- 6.ブリッジピン穴加工完了です。
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- 7.サドルスラブを溝の長さに合わせて切ります。
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- 8.サドルの厚みと、底面の平面をフラットファイルで削りだしていきます。
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- 9.サドル溝ぴったりに削り出せました。
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- 10.サイドの密着性も確認しておきます。
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- 11.目標サドル高をスラブに書き込みました。
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- 12.カットしました。
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- 13.サドルの山位置を書き写していきます。
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- 14.さらにサドル山を削りだしていきます。
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- 15.オフセットサドルの完成です。
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- 16.弦を張って弦高調整を行いました。