YAMAHA LA-58R
戻る栃木県にお住まいのT.O.さんからYAMAHA LA-58Rリペアご依頼を頂きました 弦周りを中心にリペアを行い、ギターを受け取られて早速T.O.さんからとても暖かいメッセージを頂きました。
ギター本日、届きました
ほんとうにどうもありがとうございました
今夜は帰ってきてから食事もとらずリペアしていただいたLA-58Rをずっと弾いていました
鳴りがものすごく良くなったことは最初のチューニングの時からわかりました
チューニングをして弾き始めてまず驚いたのは1弦~6弦までのどの弦もものすごく鳴る(響くといったほうがいいでしょうか^^)ようになったことであります
そして全体的なバランスもすごく良くなっておりほんとうにびっくりしました
ひとつひとつの音も粒だって。。。といいましょうかくっきりはっきり綺麗に響きます
ほんの少し触れただけなのに伸びのある音がでるのはほんとうに快感、感動です♪
そして弾きやすさも抜群にアップしておりました!
コードチェンジもスムーズにできて自分の腕があがったと錯覚してしまいます(^^;)
弾きやすさと音質が両立されておりほんとうに弾いていてうれしさがこみあげてきました
町のギターショップでサドルを調整してもらい音がまるで変わってしまってからというもの弾くたびに暗い気持ちになっていましたがそんな日々とも完全におさらばすることができました(^^)
サドルもそうですし今回ナットも新たに作製していただきましたがひとつひとつのパーツの重要性も身にしみてわかりました
ギターという楽器が本当に繊細な楽器なのだということも本当によくわかったつもりです
今は張り替えていただいたばかりの弦ですがこれから弦が落ち着いてくるにしたがい音が深くなっていくと思います
それも非常に楽しみです♪
LA-58Rも本来の姿をとり戻し喜んでいるようで後は自分の腕を磨くのみとなりました(^^;)
音が良いと弾いている時間が必然的に長くなりますので自分の腕もきっとあがると思います(^^;)
今回リペアしていただいたLA-58Rはこれからも大事にしていきますが何かあった場合にはぜひ、また宜しくお願い致します
これからも多くのギターを樋口様のスーパー技術で再生させてください!
本当にどうもありがとうございました。
T.O.さん、とても力づけられるメッセージを頂き、本当にありがとうございました
おっしゃる通り、リペア後は弦の振動が直接ボディやネックを震わせるようになり、リペア前の何か寂しげな音色からは想像できない激変リペアになったのではないかと思っています。きっとT.O.さんの元でもっと素晴らしい音色を奏でてくれていることと思います
まだまだ「スーパー技術」とはほど遠いですが、少しずつでも技術を磨いて、皆様のお役に立てるようになりたいと思っています
この度は弊工房にリペアご依頼をいただき、誠にありがとうございました。重ねてお礼を申し上げます
また、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます
ありがとうございました。
フレットすりあわせ
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- 1.マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 2.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 7.さらに研磨タワシ(#600→#800)で研磨を進めます。
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- 8.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 9.プロテクタ類を外しましょう。
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- 10.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1.当て木を当てて軽くコンとたたきます。
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- 2.ナットが外れました。
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- 3.ナット溝です。古い接着剤の跡を削り取っていきます。
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- 4.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 5.フラットファイルでネックとフィンガーボードの接触面の平面を削りだしていきます。
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- 6.ナット位置にピッタリはまるように加工しました。
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- 7.1弦側からもナットの接触状態を確認します。
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- 8.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 9.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 10.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 11.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 12.ナット上部を切り取りました。
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- 13.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 14.ナットらしくなってきました。
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- 15.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 16.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 17.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 18.弦高調整前のナットができあがりました。
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- 19.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 20.ストリングリフターで弦を待避させておき、ナットの弦溝を徐々に掘り下げていきます。削っては隙間を確認し、の繰り返しを行います。
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- 21.6弦のナット高をギリギリまで下げました
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- 22.6弦のナット高をギリギリまで下げました
サドル溝再加工
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- 1.ブリッジのサドル溝が経年消耗しているの、再加工します。
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- 2.トリマが目標の直線をたどるようにサドル溝加工ジグを調整します。
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- 3.トリマのストレートビットが溝をなぞっています。
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- 4.溝加工を終えました。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していき、サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます。
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- 3.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します
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- 4.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 5.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 6.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 7.ピッチ調整時に控えたサドル高を書き写します。
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- 8.カットしました。
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- 9.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 10.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 11.完成したオフセットサドルです。
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- 12.弦を張り、弦高調整を終えたサドルです。