Morris W-100D
戻る京津府にお住まいのN.M..さんからMorris W-100Dのリペアご依頼を頂きました。(N.M.さんから以前YAMAHA
L-15のリペアご依頼を頂いており、これで2本目のリペアとなります)
リペア後のギターを受け取られてN.M.さんから暖かいメッセージが届きました。
この度はお世話になりました
早速、W-100Dを弾かせて頂きました。音量がアップし、ギター全体で音が出ている感じはさすが、職人の技ですね
今回はMORRISらしい煌びやかな音がより煌びやかになりました。前回もそうでしたが、このギターが本来持っている音を取り戻したようです。L-15と同様にもう手放せない宝物です。L-15の音色も満足していますが、正直、この音色もいい!
今後の樋口様の益々のご活躍を願って、失礼させて頂きます。
N.M.さん、とても暖かいメッセージを頂き、ありがとうございました。リペア後のW-100Dは箱鳴りが強くなったと思います。JapanVintageの潜在能力はすごいものがあると再認識した次第です。
この度は弊工房にギターリペアのご依頼を頂き、誠にありがとうございました
今後ともよろしくお願い申し上げます。
フレット交換
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- 1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
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- 2.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
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- 3.フレットを取り外したフィンガーボードの平面性を確認します。
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- 4.軽くサンディングします。
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- 5.フレット溝の中のゴミ類を削り出します。このときもフレット溝エッジを傷つけないように注意します。
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- 6.クリーニングを終えたフレット溝です。
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- 7.フレット打ち込みの準備が整いました。
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- 8.フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
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- 9.フレットをフィンガーボード幅よりも少し大きめに切り取ります。
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- 10.フィンガーボードの湾曲度(アール)を計測します。
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- 11.第一のフレットプレス・ジグです。
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- 12.アールにあった先端ビットをジグのプレス部に固定します。
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- 13.ジグをサウンドホールから入れていきます。
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- 14.フレットをプレスします。
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- 15.ボディとネックの接合部分付近まで、この要領でプレスを進めていきます。
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- 16.2つ目のジグはこのように固定します。
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- 17.ネジを締めてフレットをプレスしていきます。
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- 18.順にプレスを進めていきます。
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- 19.3つ目のジグで残りのフレットをプレスしていきます。
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- 20.すべてのフレット打ち込みが終わりました。
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- 21.打ち込み終わったフレットの端はこのように飛び出ています。
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- 22.飛び出した部分をカットします。このとき切れ端が行方不明にならないように指先で受けます。
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- 23.フレット端をカットしました。
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- 24.カットしたフレット片は見失わないように一カ所に集めておきます。
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- 25.専用のヤスリを使ってフレット端を整形します。
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- 26.1弦側のフレット端も同じように整形します
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- 27.フレット端を整形しました。
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- 28.さらにフレット・エンド・ドレッシング・ファイルでバリを取っていきます。
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- 29.引き続いてフレットすりあわせを行いましょう。マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 30.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 31.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 32.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 33.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 34.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 35.さらに研磨タワシ(#600→#800)で研磨を進めます。
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- 36.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 37.プロテクタ類を外しましょう。
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- 38.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1.当て木を当てて軽くコンとたたきます。
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- 2.ナットが取り外せました。
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- 3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 6.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 7.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 8.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 9.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 10.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 11.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 12.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れ、ナット上部を切り取りました。
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- 13.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 14.ナットらしくなってきました。
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- 15.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 16.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 17.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 18.弦高調整前のナットができあがりました。
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- 19.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 20.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 21.6弦のナット高をギリギリまで下げました
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- 22.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します
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- 3.サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.糸鋸加工が終わったブリッジ・ピン穴です。
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- 14.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 15.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 16.完成したオフセットサドルとブリッジです。
バックボード・レタッチ
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- 1.バックボードの接合部にラッカーとそうの割れが見られます。(部材の接着に問題は見られませんでした)
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- 2.塗装割れ部分にラッカーを塗装します(しみこませる感じです)
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- 3.数日後、ラッカーの乾燥を確認して盛り上がった部分を安全カミソリで削り取っていきます。
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- 4.研磨を行いました。