HEADWAY HD-106
戻る兵庫県にお住まいのH.O.さんからHEADWAY HD-106のリペアご依頼を頂きました。弦高低下によるビビリを防ぐため、フレットのすりあわせを行い、さらに弦周りのTUSQ化を行いました。
フレットすりあわせ
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- 1.マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 2.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 7.さらに研磨タワシ(#600→#800)で研磨を進めます。
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- 8.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 9.プロテクタ類を外しましょう。
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- 10.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1.リペア前からナットは外れていました。ナット溝は非常にきれいです。
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- 2.フィンガーボードに残っている接着剤を削り取っていきます。
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- 3.ナット溝のクリーニング完了です。
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- 4.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 5.フラットファイルでネックとフィンガーボードの接触面の平面を削りだしていきます。
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- 6.ナット位置にピッタリはまるように加工しました。
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- 7.1弦側からもナットの接触状態を確認します。
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- 8.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 9.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 10.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 11.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 12.ナット上部を切り取りました。
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- 13.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 14.ナットらしくなってきました。
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- 15.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 16.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 17.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 18.弦高調整前のナットができあがりました。
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- 19.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 20.ストリングリフターで弦を待避させておき、ナットの弦溝を徐々に掘り下げていきます。削っては隙間を確認し、の繰り返しを行います。
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- 21.6弦のナット高をギリギリまで下げました
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- 22.弦高調整が完了したナットです
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していき、サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます。
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- 3.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します
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- 4.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 5.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 6.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 7.ピッチ調整時に控えたサドル高を書き写します。
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- 8.カットしました。
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- 9.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 10.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 11.完成したオフセットサドルです。
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- 12.弦を張り、弦高調整を終えたサドルです。
ボディ・サイド タッチアップ
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- 1.リペア前のスクラッチです。木部にはぎりぎり達していない状態です。
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- 2.スクラッチに沿ってサンディングブロックで塗装を剥がしていきます。木部に達しないように注意します。
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- 3.サンディング後のスクラッチ部分です。
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- 4.ラッカーを乗せていきます。乾くと収縮するので、乾燥後再度乗せる、という繰り返しを行います。
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- 5.最終のラッカーが完全に乾いたところで、安全カミソリの刃で盛り上がった部分を削り取ります。
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- 6.オーバーラッカーした部分と周囲が均一になったところでカミソリでの削り処理を終えます。
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- 7.引き続いて水研磨を行います。#1000~#2000~#4000の研磨シートで順に磨いていきます。
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- 8.研磨シートでくるまれているのは硬質ゴムの棒状のものです。
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- 9.最後はコンパウンドで研磨します。
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- 10.ほとんど目立たない程度にタッチアップしました。