YAMAHA FG-450
戻る埼玉県にお住まいのY.O.さんからYAMAHA FG-450のリペアご依頼を頂きました リペア後のギターを受け取られてH.F.さんからとても暖かいメッセージが届きました。
楽しみにしていたギターが届きました
さっそく弾いてみると弦の振動が確実にギターに共鳴していて、音が伸びやかで倍音も確実に出ていて鈴鳴りの状態です。嬉しいです
高校時代にフォークギターが欲しくて運動部の部活の合間のアルバイトで買った16000円のFG-160。ケースも買うとすべてのお金が消えました
30年も経って、ふとしたことからまた古い160を弾きだし、オークションで当時の高級機種で憧れのFG-450を手に入れました
高いギターはたくさんありますが、私としては当時の憧れのギターに最高の状態でいて欲しくて樋口さんにお願いしたしだいです
樋口さんは、技術だけでなくメールでの対応もとても丁寧で最初から最後までとても安心してお付き合いさせていただくことができました
それも嬉しかったことのひとつです。また機会があったらお願いしたいです
私と同い年とか。これからもお元気で末永く多くのギターファンの味方でいてください、ありがとうございました。
Y.O.さん、とても暖かいメッセージを頂き、本当にありがとうございます
リペア後のFG-450の音色にご満足頂けましたとのことをお聞きして、私も嬉しい限りです
この仕事をしていて、お客様からこのように暖かいメッセージを頂けることが、継続できる大きな力になっています
まだまだ試行錯誤の状態ですが、これからも自分なりに精進していきたいと思う次第です
Y.O.さんがこれからもFG-450と共に素晴らしいギターライフを送られることを、心よりお祈りしております
この度は弊工房にリペアのご依頼を賜り、本当にありがとうございました
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
フレットすりあわせ
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- 1.まず、マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 2.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングし、平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 7.さらに研磨タワシ(#600→#800)で研磨を進めます。
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- 8.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 9.プロテクタ類を外しましょう。
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- 10.ピカピカのフレットになりました。
ブリッジプレート・リペア
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- 1.ボディ内部ブリッジの裏側に取り付けられているブリッジプレートです。弦のエンドポールが食い込んでしまう状態になっています。
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- 2.メイプル材からブリッジプレート・リペアのためのプラグを切り出します。
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- 3.完全に切り離さず、ぎりぎりのところで固定させておきます。
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- 4.プラグの中央に小穴を開けます。位置決めのためにポンチで凹みを入れています。
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- 5.小穴があいたプラグです。まだ、メイプル材に固定されています。
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- 6.切り出し終えたプラグたちです。
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- 7.プラグの裏側には木目がわかるように線を入れておきます。
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- 8.このカッタージグを使用して、ブリッジプレートの凹み加工を行います。
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- 9.ボディ内にカッターを入れます。
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- 10.ブリッジ表面のハンドルを回して、カッターを回転させ、ブリッジプレートの凹み加工を行います。
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- 11.ボディ内でカッターはこのようにブリッジプレートと接触しています。
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- 12.1,3,5弦の凹み加工が終わった様子です。
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- 13.マスキングテープの粘着面を外側にしてプラグを半固定します。
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- 14.タイトボンドをプラグにつけて、小ネジを中央の穴にねじ込みます(この小ネジも半固定状態です)。
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- 15.半固定状態でプラグをそっとブリッジプレートの下に運んでいきます。
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- 16.1弦のプレート凹み部分にプラグを接着しました。小ネジは少し引き上げてプラグを固定した後、緩めとります。
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- 17.1,3,5弦のプラグ固定が終わりました。このとき木目方向を確認しておきます。
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- 18.ワックスペーパーと当て木を挟んでマグネットクランプした後、固着を待ちます。
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- 19.プラグの固着を待って、2,4,6弦のプラグ接着を行います。
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- 20.6弦すべてのプラグ接着を終えました。
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- 21.固着したプラグにブリッジピン穴を開けます。プレート側に当て木を当てて一つずつ開けていきます。
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- 22.クランプを避けるように長いドリルビットを使用します。
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- 23.プラグにブリッジピン穴を開けました。
ナット交換
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- 1.ナットに当て木を当ててコンとたたくと・・・
- 1.ナットに当て木を当ててコンとたたくと・・・
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- 2.ナットが取り外せました。
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- 3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットができあがりました。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.6弦のナット高をギリギリまで下げました
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- 24.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します
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- 3.サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高のの切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.糸鋸加工が終わったブリッジ・ピン穴です。
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- 14.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 15.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 16.完成したオフセットサドルとブリッジです。