Aria D-50
戻る広島県にお住まいのT.O.さんからAria D-50のリペアご依頼をいただきました。弦周りのTUSQ化、弦高調整によって、音色と演奏性の改善を行いました。リペア後のギターを受け取られて、T.O..さんから暖かいメッセージをいただきました。
今日、ギターが届きました 早速チューニングをして弾いてみましたところ、リペア前とは明らかに音質が変わって、高音はきらびやかに、低音はボディーが振動し、リペア前には聞こえなかった音が聞こえてきました このギターは35年前に私が買った第一号のギターで、大変愛着のあるギターです。今回リペアをして頂いてこれからも末長くつき合っていくことがでできるようになり大変感謝しております このギターの他にも数本所有していますので、調子が悪くなったりモディファイがしたくなったらお願いしたいと思います。
T.O.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました 今回のリペアでは弦高を限界まで下げる一方、それに伴って音色が損なわれることのないように留意させていただきました 結果、ご満足頂けるギターをお届けすることでき、本当に嬉しく思っております T.O.さんのおっしゃるように、「リペア前に聞こえなかった音が聞こえてくる」現象は、私も同様に感じました。と同時にギターに「良かったね!」と心から感謝の気持ちを感じた次第です この度は弊工房にリペアのご依頼を賜り、本当にありがとうございました 重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
ナット交換
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- 1.当て木を当ててコンとたたくと・・・
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- 2.ナットが取り外せました。
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- 3.ナット溝をクリーニングしましょう。
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- 4.古い接着剤の跡を削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦が右利き仕様とは逆です)
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.1弦のナット高をギリギリまで下げました
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- 24.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します
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- 3.サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高のの切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.糸鋸加工を終えたブリッジピン穴です。
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- 14.さらにミニルーターで弦の導出角度を付けていきます。
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- 15.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 16.完成したオフセットサドルとブリッジです。