Martin D-28
戻る三重県にお住まいのS.O.さんからMartin D-28のリペアご依頼をいただきました リペア後のギターを受け取られて、S.O.さんからとても暖かいメッセージをいただきました。
樋口さんに直接お会いしてリペアの相談をしたいとの思いで、300km以上の道のりを、ギターを抱えて電車に揺られながら、工房に伺わせていただきました
お忙しい中にも係わらず、駅まで送迎していただいたり、いろいろなお話を聞かせていただいたりして、本当にありがとうございました
リペアしたD28を受け取り、家に着いてからすぐに弾いてみました
ガツンとストロークをすると、音が以前よりかなり大きくなり、「ボディが鳴っている!」という印象でした
それに加えて、ローポジションでコードを押さえている手のひらにも振動が伝わってくる感じで、「ギター全体が振動して音を出している!!」という感じで、ちょっとびっくりしました
一方、フィンガーで弾いてみると、音の粒立ちがよく一音一音がはっきり聞こえるようになりました
そして、TOR-TISのピックガードへの交換・・・
音も劇的に変わりましたが、ピックガードを交換したことで、見た目にも、違うギターになりました(笑)
この高級そうなギターは、自分の・・・? って感じです(笑)
樋口さんにリペアしていただいて本当に良かったです
最後に、リペア技術が優れているのはもちろんのこと、直接伺っていろいろ話をさせていただいて、樋口さんのギターへの深い愛情と、飾らない人柄に深く感動しました
これからも、どうぞよろしくお願いします。
S.O.さん、遠路をお越しいただき、また早速のとても暖かいメッセージをいただき、ありがとうございました
オリジナルギターを試奏させていただいた時、良く鳴っているギターだな、という感じと、もう少し鳴るかな?というくらいの印象を受けました
(S.O.さんがギターをお預けいただいたとき、「私のギターは当たりですか?はずれですか?」と聞かれましたが、はっきりわからなかったのが正直なところでした。)
リペア後のギターに、オリジナルの弦を張って調整を始めた時、「すごい音やなぁ」と思いました。S.O.さんのおっしゃるように「ギター全体から音が鳴っている」状態になりました
S.O.さんとご家族の傍らで「かっこいい」ギターが活躍することを遠くからお祈りしております
この度は弊工房にギターリペアのご依頼をいただき、ありがとうございました
今後とも何卒よろしくお願い致します。
ナット交換
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- 1.当て木を当ててコンとたたくと・・・
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- 2.ナットが取り外せました。
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- 3.ナット溝をクリーニングしましょう。
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- 4.古い接着剤の跡を削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.1弦のナット高をギリギリまで下げました
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- 24.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します
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- 3.サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高のの切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.糸鋸加工を終えたブリッジピン穴です。
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- 14.さらにミニルーターで弦の導出角度を付けていきます。
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- 15.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 16.完成したオフセットサドルとブリッジです。
ピックガード交換
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- 1.ピックガードとトップ板の隙間にナイフを差し込んでいきます。
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- 2.徐々にピックガードを剥がしていきます。
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- 3.オリジナルのピックガードが外れました。
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- 4.両面接着シートを剥がしていきます。
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- 5.接着シートもきれいにはずせました。
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- 6.マスキングテープで位置決めして、新しいピックガードを貼ります。