Greven D-custom
戻る岐阜県にお住まいのF.W.さんからGreven D-customのリペアご依頼をいただきました。ブリッジプレートリペア、弦周りのTUSQ化、およびピックガード交換を行いました リペア後のギターを受け取られて、F.W.さんから暖かいメッセージが届きました。
ギター工房オデッセイ 樋口英之様
この度はお世話になりました。本日、無事到着いたしました
お手数をおかけ致しました
早速、弾かさせて頂きました・・・音の響きが数段に良くなりました。さらに音に深みが増したみたいです
音に輪郭が出来、しっかり鳴ります。弦高も一弦から六弦までバランスよくいい感じです
大変弾きやすくなりました。全体的に安定感が増し、ハードなプレイにも思いっきり対応できる様になりました。一年半待った甲斐がございました。大満足です
今後も大切に弾いていきたいと思います。一生もののギターになりました。ありがとうございました
F.W.
F.W.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。 リペア後のギターの音色、演奏性共にご満足頂き、私も嬉しい気持ちでいっぱいです
このGreven D-customは今回のリペアの前に数回リペアを経てきたギターだと思います
リペア後の試奏をさせて頂きながら、こうやってギターは一人前になっていくんだなぁ、とふと感傷にふけったりしました(笑)
これからもF.W.さんの傍らでGrevenが活躍されるよう、心からお祈りしております
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき本当にありがとうございました。 今後とも何卒よろしくお願いいたします。
ブリッジプレート・リペア
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- 1.ボディ内部ブリッジの裏側に取り付けられているブリッジプレートです。弦のエンドポールが食い込んでしまう状態になっています。(以前リペアされた跡が見られます)
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- 2.メイプル材からブリッジプレート・リペアのためのプラグを切り出します。
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- 3.完全に切り離さず、ぎりぎりのところで固定させておきます。
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- 4.プラグの中央に小穴を開けます。位置決めのためにポンチで凹みを入れています。
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- 5.小穴があいたプラグです。まだ、メイプル材に固定されています。
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- 6.切り出し終えたプラグたちです。
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- 7.プラグの裏側には木目がわかるように線を入れておきます。
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- 8.このカッタージグを使用して、ブリッジプレートの凹み加工を行います。
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- 9.ブリッジ表面のハンドルを回して、カッターを回転させ、ブリッジプレートの凹み加工を行います。
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- 10.ボディ内でカッターはこのようにブリッジプレートと接触しています。
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- 11.1弦穴の凹み加工が終わった様子です。
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- 12.同様にして3,5弦穴の凹み加工も行いました。
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- 13.マスキングテープの粘着面を外側にしてプラグを半固定します。
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- 14.タイトボンドをプラグにつけて、小ネジを中央の穴にねじ込みます(この小ネジも半固定状態です)。
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- 15.半固定状態でプラグをそっとブリッジプレートの下に運んでいきます。
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- 16.前半のプラグ固定が終わりました。このとき木目方向を確認しておきます。
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- 17.ワックスペーパーと当て木を挟んでマグネットクランプした後、固着を待ちます。
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- 18.前半のプラグ固着後、同じように後半のプラグ接着を行います。
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- 19.全ての凹み加工、プラグ接着を終えました。
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- 20.固着したプラグにブリッジピン穴を開けます。クランプを避けるように長いドリルビットを使用します。
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- 21.プラグにブリッジピン穴を開けました。
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- 22. 弦を張りました。エンドポールがプレートの上にしっかり固定されています。(ブリッジ固定用ボルト・ナットも取り付けました)
ナット交換
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- 1.オリジナルナットです。
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- 2.ナット溝が深いので切削除去を行います。
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- 3.ドレメル・ルーターにストレート・ビットとガイドジグを取り付けました。
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- 4.何回かのパスに分けてナットを切削します。
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- 5.2パス後のナットです。もう少し深く掘りましょう。
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- 6.4パス目を終えました。切削はここで止めておきます。
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- 7.中央部が削られたナットです。
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- 8.ナットを取り除きました。
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- 9. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 10.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 11.クリーニング完了したナット溝です。
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- 12.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 13.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 14.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 15.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 16.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 17.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 18.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 19.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 20.ナット上部を切り取りました。
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- 21.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 22.ナットらしくなってきました。
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- 23.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 24.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 25.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 26.弦高調整前のナットです。
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- 27.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 28.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 29.ナット製作完了です。
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- 30.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
サドル溝加工~サドル製作
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- 1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置をマスキングテープに書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 14.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 15.サドルを取り付けました。
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- 16.弦高調整後のブリッジとオフセットサドルです。
ピックガード交換
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- 1.オリジナルピックガードです。
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- 2.ナイフを端から挿入していきます。
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- 3.トップ板を傷つけないようにゆっくり進めていきます。
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- 4.最後まで慎重に・・・(笑)。
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- 5.トップ板に残った粘着材です。
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- 6.トップ板塗装面が戻りました。
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- 7.新しいピックガードの位置決めを行いました。
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- 8.マークに従ってピックガード交換完了です。