Cat'sEye CE-800S
戻る兵庫県にお住まいのN.K.さんさんからCat'sEye CE-800SとCE-600CFのリペアご依頼をいただきました。CE-800Sはフレット交換、弦周りのTUSQ化、およびピックアップ取り付けを行いました リペア後のギターをお引き取りにお越しになった後、暖かいメッセージが届きました
樋口様
日曜日にリペアをして頂いた2本をとっかえひっかえ弾いて違いを楽しませて頂きました
CE-800Sは元々マホガニー特有のやわらかい・あったかい音が気に入っていましたが、それにクリアさが加わり、さらに音が前に出るようになったと思います
つけて頂いたピックアップをいつの日かライブで使う日を想い練習したいと思います
CE-600CFの方と言えば、悲しいくらい、鳴らなかったのですが、「化けてくれた。」っていう第一印象です。樋口様が、最初におっしゃった通りになりました。流石です
トップ以外は合板であまり期待はしていませんでしたが、ブリリアントな音色を奏でてくれるようになり、とても愛着が湧いてきました。妻はCE-800Sよりこちらの音の方が好みのようです
いずれのギターも樋口様の優しいお気持ちが乗り移っているかのようで、こちらまで優しい気持ちになりました。これからも多くの方のギターに新たな生命を与えるいいお仕事をなさって下さい
また、お世話になりたいと思いますが、超売れっ子で、次回の待ち時間は10年でしょうか?(笑)
今回のリペアではジャパニーズ・ビンテージギターの潜在能力に改めて驚かされました
ただ両ギターともネックがやや元起きしており、本来であればネックリセットを施すべきところでありましたが、サドル高をぎりぎりまで下げ、さらに高めのフレットを使用することにより相対弦高を下げることで演奏性を確保しました。
N.K.さんとギターのお預かりとご返却の際に色々なお話をさせていただき(同年代の夢、悩みなど)、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございます。
これからも中年パワー全開でバリバリ音楽を楽しんでください。応援しています!!!
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました
今後とも何卒よろしくお願いいたします
1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
2.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
ナット交換
-
- 1.オリジナルナットです。
-
- 2.当て木を当ててコンとたたきます。
-
- ナット取り外しの様子です。
-
- 3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
-
- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
-
- 5.クリーニング完了したナット溝です。
-
- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
-
- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
-
- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
-
- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
-
- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
-
- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
-
- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
-
- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
-
- 14.ナット上部を切り取りました。
-
- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
-
- 16.ナットらしくなってきました。
-
- 17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
-
- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
-
- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
-
- 20.弦を張って弦高調整を行います。ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
-
- 21.ナット高調整前の弦溝です。
-
- 22.弦高調整後のナット弦溝です。
-
- 23.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
-
- 24.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
ピッチ調整~サドル作製
-
- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
-
- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
-
- 3.サドル山位置を書き写していきます。
-
- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
-
- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
-
- 6.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
-
- 7.サドル高の切り出しを終えました。
-
- 8.サドル上部にピーク位置を書き写します。
-
- 9.サドルピーク位置を削りだしていきます。
-
- 10.ブリッジピン穴加工を行います。まず、鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
-
- 11.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
-
- 12.ブリッジピン穴加工を終えました。
-
- 13.ロングサドルのエッジスロープ加工を行いましょう。
-
- 14.スロープをマスキングテープで保護します。
-
- 15.サドル端は半丸やすりで粗く削っておきます。
-
- 16.この飛び出た部分を削っていきましょう。
-
- 17.ミニトリマに円錐ビットを取り付けて削っていきます。
-
- 18.ブリッジ上面ぎりぎりのところで止めておきます。
-
- ロングサドルスロープ加工の様子です。
-
- 19.サドルを取り付けました。
-
- 20.完成したブリッジとサドルです。
ピックアップ取り付け
-
- 1.ピックアップを取り付けます。
-
- 2.エンドピンジャック穴加工を行いましょう。
-
- 3.マスキングテープで保護します。
-
- 4.リーマーを使って穴を広げます。
-
- エンドピンジャック穴加工の様子です。
-
- 5.穴加工を終えました。
-
- 6.マスキングテープを剥がしました。
-
- 7.エンドピンジャックを取り付けました。
-
- 8.Takamine Tri-Axを取り付けました。