Blueridge BR-240
戻る大阪府にお住まいのT.K.さんからMorales BM-100,、Bourgeois Vintage Dreadnaught、およびBlueridge BR-240の3本のギターリペアご依頼をいただきました。Blueridge BR-240はフレットすりあわせと弦周りのTUSQ化を行いました リペア後のギターをお引き取りにお越しになり、ご帰宅後とても暖かいメッセージが届きました
オデッセイ樋口様
本日ギターを受け取りにうかがった後、家でもずっと弾いていました
モラレスは34年前大学に入学した時初めて購入したまともなギターなのですが、状態が悪くなり最近はあまり弾いていませんでした。リペア後は学生時代以上の鳴りになったように思います
ボジョアとブルーリッジはそれなりに鳴っていると思っていましたがリペア後は、音のこもりがなくクリアーに鳴るようになりました
また、3台とも音が明らかに大きくなったと思います
素晴らしいリペア本当にありがとうございました。
T.K.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。
昨日、T.K.さんが工房部屋でリペア後のギターを試奏されている姿を拝見していて、本当にギターを愛されているんだなぁ、と強い想い入れを感じました。
それに応えて、ギターたちは素晴らしい音色を奏でてくれて、とても心地よかったです。 またご予約いただいている別のギターを来年リペアさせていただくことを楽しみにしております。
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました
今後とも何卒よろしくお願いいたします
フレットすりあわせ
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- 1.マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 2.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 7.さらにスチールウールで研磨を進めます。
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- 8.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 9.プロテクタ類を外しましょう。
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- 10.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1.オリジナルナットです。
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- 2.当て木を当てて、コンとたたいて取り外します。
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- ナット取り外しの様子です。
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- 3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.ナット高調整前の弦溝です。
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- 24.弦高調整後のナット弦溝です。
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- 25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
サドル溝再加工
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- 1.オリジナルブリッジです。サドル位置移動することでフレット音痴解消を行います。
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- 2.オリジナルサドル溝を埋木するためエボニー材を切り出しました。
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- 3.オリジナル・サドルスロットにぴったりはまるようになりました。
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- 4.ブリッジ上面より少し高く切り出し、削っていきます。
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- 5.埋木を終えました。
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- 6.サドル位置を書き写すためにマスキングテープを2重に貼りました。
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- 7.サウンドホールにチューナー、ブリッジにイントネーターを取り付けます。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル山位置を書き写していきます。
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- 10.サドル溝位置を書き込みます。
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- 11.サドル溝加工ジグを取り付けました。
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- 12.位置決めを行っています。
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- トリマでサドル溝再加工を行っている様子です。
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- 13.トリミングを終えたブリッジです。
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- 14.マスキングテープをはがします。
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- 15.オリジナルよりも約2mmボトム側へサドル位置が移動しました。
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- 16.サドル作製工程へ移りましょう。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 14.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 15.ロングサドルのエッジスロープ加工を行いましょう。
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- 16.スロープをマスキングテープで保護します。
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- 17.サドル端は半丸やすりで粗く削っておきます。
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- 18.この飛び出た部分を削っていきましょう。
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- 19.ミニトリマに円錐ビットを取り付けて削っていきます。
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- 20.ブリッジ上面ぎりぎりのところで止めておきます。
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- ロングサドルエッジスロープ加工の様子です。
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- 21.サドルを取り付けました。
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- 22.完成したブリッジとサドルです。