YAMAHA LS-26
戻る大阪府にお住まいのSさんからYAMAHA LS-26のリペアご依頼をいただき、ピックガード交換、フレットすりあわせ、および弦周りのTUSQ化を行いました リペア後のギターを受け取られて、Sさんから暖かいメッセージが届きました。
ギター工房 オデッセイ 御中
樋口英之 様
本日無事にギターが到着しました
こちらのわがままな要望も快く真剣に聞いていただき、ありがとうございました
すごく弾きやすく自分になじむようになった気がします
このギターを購入してから指を骨折したり、入院したりと、あまり弾いてませんでしたが、これからじっくりと弾き倒して行きたいと思っております
最後に数多のギターを扱ってこられた樋口様からの このギターに関しての率直な感想をお聞かせいただければと思っております
最後にくれぐれも御身御慈愛いただき今後もすばらしいお仕事をお続けいただきますようお祈り申し上げております
またリペアーをお願いいたしますのでよろしくお願いいたします。
Sさん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました
リペア前はネック調整状態があまり良好でない上に、フレット山ラインの不揃いも重なって弾きづらく、音も良くないギターでしたが、リペア後の弦周りは最高の状態に調整できたと思っています
まだまだ若いギターですが弦の振動へのレスポンスも非常に良くクリアなサステインも持ち合わせていますので、これから経年を重ねてどんな音になっていくのかが楽しみなのではないでしょうか?
リペア後のギターにご満足いただけて私もとても嬉しい気持ちで一杯です
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
フレットすりあわせ
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- 1.マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 2.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 7.さらにスチール・ウールで研磨を進めます。
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- 8.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 9.プロテクタ類を外しましょう。
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- 10.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1.オリジナルナットです。
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- 2.当て木を当ててコンとたたきます。
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- ナット取り外しの様子です。
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- 3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.ナット高調整前の弦溝です。
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- 24.弦高調整後のナット弦溝です。
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- 25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 14.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 15.サドルを取り付けました。
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- 16.完成したブリッジとサドルです。
ピックガード交換
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- 1.オリジナルピックガードです。
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- 2.トップ板を傷つけないようにナイフを挿入していきます。
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- 3.少しずつナイフを進めていきます。
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- 4.オリジナルピックガードが外れました。
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- 5.トップ板に残った粘着材です。
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- 6.こちらもトップ板を傷つけいないように取り除いていきます。
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- 7.粘着材の取り除かれたトップ板です。
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- 8.オリジナルよりも少し大きめにTOR-TIS素材を切り出しました。
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- 9.2枚を仮付けました。
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- 10.周囲を削っていきます。
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- 11.TOR-TIS素材は常温では堅くなり、割れやすいので慎重に作業を進めていきます。
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- 12.削り出しを終え、両面接着シートも少し大きめに切り出しました。
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- 13.シートをピックガードに貼って、はみ出た部分をカットします。
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- 14.位置決めしています。
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- 15.ピックガード交換完了です。
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- 16.ギターの表情がガラッと変わりました。