Chaki W-80
戻る滋賀県にお住まいのA.K.さんからChaki W-80のリペアご依頼をいただきました。フレット交換を含む弦周りのトータルリペアを行います。A.K.さんからは以前にGibson J-50のリペアご依頼をいただいており、これで2本目のギターリペアご依頼となります。A.K.さん、ありがとうございます リペア後のギターを受け取られて、暖かいメッセージが届きました。
樋口様
こんばんわ
滋賀のA.K.です
ギター本日受け取りました
深夜帰宅で少ししか試奏できませんでしたが、 低音のサスティーン、音のバランスが非常によく 見事に生まれ変わりました
本当に有難うございました。
A.K.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました
リペア前にA.K.さんから下記のコメントをいただいておりました
> 弾いていて、全く低音が響きません
> つまるような音色なのです
> リペアで生まれ変わるのでしょうか?
ギターを拝見・試奏させていただいてサウンドホールからしか出てこない音色を確認させていただきました
今回、フレット交換を行いフレット山形状を最適化したのと、弦周りをTUSQ化することで弦の振動を最大限ギターに伝搬することが出来、その結果、非常に大きな箱鳴り感を得ることが出来ました
リペア後のギターにご満足いただけて私もとても嬉しい気持ちで一杯です
これからもA.K.さんのギターライフの傍らでW-80が活躍することをお祈りしております
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
フレット交換
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- 1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
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- 2.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
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- フレットを抜いている様子です。
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- 3.フィンガーボードの平面性を確認します。
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- 4.軽くサンディングします。
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- 5.フレット溝の中のゴミ類を削り出します。このときもフレット溝エッジを傷つけないように注意します。
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- 6.ここでフィンガーボードをクリーニングします。
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- 7.フレットプレスの準備が整いました。
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- 8.フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
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- 9.フィンガーボードの湾曲度(アール)を計測します。
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- 10.第一のフレットプレス・ジグです。
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- 11.アールにあった先端ビットをジグのプレス部に固定します。
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- 12.フレットをフィンガーボード幅よりも少し大きめに切り取ります。
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- 13.タングニッパでフレット端の加工を行います。
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- 14.タング部のカットされたフレット端です。
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- 15.ジグをサウンドホールから入れていきます。
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- 16.ハンドルを回してフレットをプレスします。
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- 17.ボディとネックの接合部分付近まで、この要領でプレスを進めていきます。
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- 18.2つ目のジグはこのように固定します。
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- 19.ネジを締めてフレットをプレスしていきます。
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- 20.順にプレスを進めていきます。
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- 21.3つ目のジグで残りのフレットをプレスしていきます。
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- 22.すべてのフレット打ち込みが終わりました。
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- フレットをプレスしている様子です。
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- 23.打ち込み終わったフレットの端は飛び出ています。
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- 24.飛び出した部分をカットします。このとき切れ端が行方不明にならないように指先で受けます。
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- 25.カットしたフレット端です。
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- 26.カットしたフレット片は失わないように一カ所にまとめておきます。
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- 27.専用のヤスリを使ってフレット端を整形します。
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- 28.1弦側のフレット端も同じように整形します。
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- フレット端を整形している様子です。
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- 29.整形されたフレット端です。
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- 30.さらにフレット・エンド・ドレッシング・ファイルでバリを取っていきます。
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- 31.引き続いてフレットすりあわせを行いましょう。マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 32.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 33.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 34.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 35.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 36.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 37.さらにスチール・ウールで研磨を進めます。
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- 38.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 39.プロテクタ類を外しましょう。
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- 40.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1. オリジナルナットです。
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- 2.ナットは既に外れていました。
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- 3.ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れました。
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- 14.ナット上部をカットしました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.弦溝位置を読みとります。
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.ナット高調整前の弦溝です。
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- 24.弦高調整後のナット弦溝です。
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- 25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
サドル溝再加工
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- 1.オリジナルブリッジです。サドル位置移動することでフレット音痴解消を行います。
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- 2.オリジナルサドル溝を埋木するためローズウッド材を切り出しました。
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- 3.オリジナル・サドルスロットにぴったりはまるようになりました。
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- 4.ブリッジ上面より少し高く切り出しました。
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- 5.飛び出た部分を削っていきます。
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- 6.ブリッジ上面とほぼツライチになりました。
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- 7.埋木を終えました。
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- 8.サドル位置を書き写すためにマスキングテープを2重に貼りました。
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- 9.サウンドホールにチューナー、ブリッジにイントネーターを取り付けます。
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- 10.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 11.サドル山位置を書き写していきます。
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- 12.サドル溝位置を書き込みます。
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- 13.サドル溝加工ジグを取り付けました。
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- 14.位置決めを行っています。
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- トリマでサドル溝再加工を行っている様子です。
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- 15.トリミングを終えたブリッジです。
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- 16.マスキングテープをはがします。
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- 17.オリジナルよりも約2mmボトム側へサドル位置が移動しました。
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- 18.サドル作製工程へ移りましょう。
サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にフレット片を取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合はサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 14.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 15.サドルを取り付けました。
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- 16.完成したオフセットサドルとブリッジです。