Taylor 814ce
戻る兵庫県にお住まいのT.I.さんからTaylor 814ceのリペアご依頼をいただき、フレット交換、ナット・サドル交換、ピックガード交換を行いました リペア後のギターをお引き取りにお越しになった後、ご帰宅後とても暖かいメッセージが届きました。
ギター工房オデッセイ 代表:樋口英之様
この度は大変お世話になりました
早速家に持ち帰り弾きこんでみました。ご連絡が遅くなりすみません
ハイフレットの音詰まりのようなもどかしさがなくなったのと響きが購入当初のキラキラが戻りました。サステインも伸びましたし、ギターを弾いたことのない妻が全然違うと聴いて感じるほどです
購入してから2~3年、現在は住まいの環境で月に1度触る程度だったので可哀想なギターだったのですがスタジオやアコースティックのギター教室に行くなりたくさん付き合っていこうと思います
今回は元々がTUSQだったこともあり牛骨で勉強させて頂きましたが、また調整などお願いする時に樋口さまのオススメのTUSQ仕様でお願いしたいと思います
ありがとうございました。
T.I.さん、とても暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました
今回リペアさせていただいたギターは比較的若い個体だったのですが、弦周りをトータルリペアすることで本来ギターが持っている潜在能力を発揮できるようになったと思います
これから年を重ねるに従って、熟成した深みのある音色に変わっていくのが楽しみですね
T.I.さんの傍らでTaylor 814ceが活躍することをお祈りしております
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
フレット交換
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- 1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
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- 2.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
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- フレットを抜いている様子です。
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- 3.フィンガーボードの平面性を確認します。
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- 4.軽くサンディングします。
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- 5.フレット溝の中のゴミ類を削り出します。このときもフレット溝エッジを傷つけないように注意します。
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- 6.ここでフィンガーボードをクリーニングします。
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- 7.フレットプレスの準備が整いました。
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- 8.サウンドホールからボディ内、フィンガーボード裏をのぞいた様子です。
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- 9.ピックアップが取り付けられているので、この部分のフレットはプレスではなく、打ち込みを行うことにします。
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- 10.フィンガーボードの湾曲度(アール)を計測します。
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- 11.フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
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- 12.フレットをフィンガーボード幅よりも少し大きめに切り取ります。
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- 13.タングニッパでタング部をカットします。
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- 14.タング部処理を終えたフレット端です。
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- 15.フレットを打ち込んでいきます。
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- 16.最初は端を、次に中央部分を打ち込みます。
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- 17.ボディとネックの接合部分付近までこの要領で打ち込んでいきます。
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- 18.次にプレスジグはこのように固定します。
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- 19.ネジを締めてフレットをプレスしていきます。
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- 20.順にプレスを進めていきます。
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- 21.次のジグで残りのフレットをプレスしていきます。
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- 22.すべてのフレット打ち込みが終わりました。
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- フレットをプレスしている様子です。
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- 23.打ち込み終わったフレットの端は飛び出ています。
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- 24.飛び出した部分をカットします。このとき切れ端が行方不明にならないように指先で受けます。
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- 25.カットしたフレット端です。
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- 26.カットしたフレット片は失わないように一カ所にまとめておきます。
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- 27.専用のヤスリを使ってフレット端を整形します。
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- 28.1弦側のフレット端も同じように整形します。
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- フレット端を整形している様子です。
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- 29.整形されたフレット端です。
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- 30.さらにフレット・エンド・ドレッシング・ファイルでバリを取っていきます。
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- 31.引き続いてフレットすりあわせを行いましょう。マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 32.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 33.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 34.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 35.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 36.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 37.さらにスチール・ウールで研磨を進めます。
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- 38.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 39.プロテクタ類を外しましょう。
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- 40.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1.オリジナルナットです。
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- 2.当て木を当てて、コンとたたいてスライドして取り外します。
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- ナットを取り外している様子です。
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- 3.ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れました。
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- 14.ナット上部をカットしました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.ナット高調整前の弦溝です。
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- 24.弦高調整後のナット弦溝です。
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- 25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.完成したオフセットサドルとブリッジです。
ピックガード交換
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- 1.オリジナル・ピックガードです。
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- 2.すこし大きめのピックガードと交換します。
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- 3.すこし浮いた部分にナイフを挿入して行きます。
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- 4.慎重にナイフを進めていきます。
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- 5.ピックガードが外れました。
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- 6.目標の形状の型紙を切り出しました。
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- 7.ピックガードシートを型紙に合わせて切り出しました。
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- 8.位置決めをした後、接着しました。