Gibson J-50
戻る鳥取県にお住まいのT.I.さんからGibson J-50のリペアご依頼をいただき、アジャスタブルサドル・スロット化、フレットすりあわせを含む弦周りのトータルリペアを行いました リペア後のギターを受け取られて、とても暖かいメッセージをいただきました。また後日、YAMAHA L53のリペアご依頼もいただきました。T.I.さん、ありがとうございます。
ギター工房オデッセイ 樋口 様
本日、無事ギターを受け取りました!
まだ少ししか弾いていないのですが、
まず一言、「感激しました!」
チューニングをしている時から、「低音が凄く良く鳴っている!」と驚き、元々好きだった高音も、「もっと良く鳴っている~。」という感じで、とにかく感激しました
イメージしていた以上に、ギターのポテンシャルを最大限に引き出していただいたと思います。
この度は、本当にありがとうございました!
自分にとっての宝物が一つ増えました!
また、別のギターのリペアをお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
T.I.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました
アジャスタブルサドルのメリット、デメリットを改めて感じさせていただくリペアでした
特有の音色はあるのですが、いかんせん、弦の振動をスポイルしてしまう機構が最大の問題ではないかと思っています
この度、T.I.さんのギターをリペアさせていただいて、ギター本来の音色を蘇らせることができて、本当に嬉しく思っております
これからも蘇ったJ-50とともにすばらしいギターライフをお送りください
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
アジャスタブル・サドル・スロット化
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- 1.アジャスタブルサドルです。
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- 2.サドルを取り外しました。溝の下に接着剤が残っています。
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- 3.底面をクリーニングしました。
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- 4.サドル溝より少し大きめにローズウッド材を切り出しました。
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- 5.サドルスロット・サイズに合わせてピッタリのスラブを切り出しました。
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- 6.ブリッジ上面に合わせて切り取りました。
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- 7.さらに調整を行い、ブリッジ上面ギリギリまで埋木を削りました。
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- 8.サドル位置記録用のマスキングテープを貼りました。
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- 9.サウンドホールにチューナーを付けました。
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- 10.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 11.サドル山位置とサドル溝位置を重ねていたマスキングテープに書き込んでおきます。
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- 12.サドル溝加工ジグを取り付けました。
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- 13.トリマのビット先端がサドル溝をなぞるように位置を微調整します。
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- 14.サドル溝を掘っています。
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- サドル溝加工ジグとトリマで溝加工を行っている様子です
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- 15.マスキングテープを剥がします。
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- 16.サドルスロット化ができました。あとはサドル作製を行いましょう。
フレットすりあわせ
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- 1.マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 2.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 7.さらにスチール・ウールで研磨を進めます。
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- 8.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 9.プロテクタ類を外しましょう。
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- 10.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1. オリジナルナットです。
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- 2.ナットはすでに外れていました。
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- 3.ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れました。
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- 14.ナット上部をカットしました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 24.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 14.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 15.サドルを取り付けました。
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- 16.完成したオフセットサドルとブリッジです。