TACOMA Papoose
戻る大阪府にお住まいのA.O.さんからTACOMA PapooseとGibson LG-2のリペアご依頼をいただきました。A.O.さんからは以前Greven J Herringbone Deluxeのリペアご依頼をいただいており、これで2本目、3本目のギターリペアとなります。A.O.さん、いつもありがとうございます。TACOMA Papooseはフレット交換、弦周りのTUSQ化とともにボディ打痕跡修復を行いました。
フレット交換
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- 1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
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- 2.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
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- フレットを抜いている様子です。
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- 3.フィンガーボードの平面性を確認します。
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- 4.軽くサンディングします。
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- 5.フレット溝の中のゴミ類を削り出します。このときもフレット溝エッジを傷つけないように注意します。
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- 6.フィンガーボードをクリーニングします。
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- 7.フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
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- 8.フレットをフィンガーボード幅よりも少し大きめに切り取ります。
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- 9.フレット両側を打ち込んでいきます。
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- 10.さらに中央を打ち込みます。
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- 11.ボディとネックの接合部分付近まで、この要領で打ち込みを進めていきます。
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- 12.プレスジグはこのように固定します。
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- 13.ネジを締めてフレットをプレスしていきます。
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- 14.順にプレスを進めていきます。
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- 15.次のジグで残りのフレットをプレスしていきます。
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- 16.すべてのフレット打ち込みが終わりました。
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- フレットプレスの様子です。
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- 17.打ち込み終わったフレットの端は飛び出ています。
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- 18.飛び出した部分をカットします。このとき切れ端が行方不明にならないように指先で受けます。
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- 19.カットしたフレット端です。
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- 20.カットしたフレット片は失わないように一カ所にまとめておきます。
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- 21.専用のヤスリを使ってフレット端を整形します。
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- 22.1弦側のフレット端も同じように整形します
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- フレット端整形の様子です。
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- 23.整形されたフレット端です。
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- 24.さらにフレット・エンド・ドレッシング・ファイルでバリを取っていきます。
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- 25.引き続いてフレットすりあわせを行いましょう。マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 26.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 27.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 28.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 29.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 30.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 31.さらにスチールウールで研磨を進めます。
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- 32.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 33.プロテクタ類を外しましょう。
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- 34.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1.オリジナルナットです。
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- 2.当て木を当ててコンとたたいて、スライドして外します。
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- ナット取り外しの様子です。
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- 3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.ナット高調整前の弦溝です。
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- 24.弦高調整後のナット弦溝です。
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- 25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.完成したブリッジとサドルです。
打痕跡補修
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- 1.ボディトップとサイドの角に打痕跡が見られます。
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- 2.中央部の木部は欠損していますが、周囲の部材は凹んだ状態で残っています。
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- 3.水を含んだ布を半田ごてに当てて蒸気を発生しながら打痕部分の繊維を緩めていきます。
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- 4.周囲部分は元の形状を取り戻し、中央の欠損部分だけが残りました。
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- 蒸気で打痕跡を補修している様子です。
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- 5.部材と同じスプルース材のペーストで欠損部分を埋めます。
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- 6.ペースト乾燥後、軽くサンディングしました。
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- 7.周囲に合わせてステインを塗ります。
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- 8.補修後の打痕跡です。ほとんど目立たなくなりました。