S.Yairi YD-306
戻る広島県にお住まいのK.Y.さんからS.Yairi YD-306のリペアご依頼をいただき、ブリッジ脱着、フレット交換などを含むトータルリペアを行いました。 リペア後のギターを受け取られて、暖かいメッセージが届きました。
ギター工房オデッセイ 代表 樋口様
本日、S.Yairi YD-306無事届きました
ピカピカのフレットと、凹んでいたフレットポードも擦り合わせして頂き、フラットに!
早々にチューニングし、ストロークすると、ボディー全体が響いています!
再度チューニングし、爪弾いてみると、詰まってボヤけてた低音弦側はスッキリ、ハッキリとしています、高音弦側はきらびやかで伸びがあり楽しくなって来ました
トータルリペアの意味がわかったような気がします
思いきって、お願いしてよかったてす
ギターを弾く時間が増えそうです
ありがとうございました。
K.Y.さん、とても暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました
今回のリペアで改善された大きな要因はやはりブリッジ脱着だったと思います
リペア前は弦の振動が十分ボディに伝達されていなかった点が解消されたので、ギター全体から音が出るようになりました
またブリッジがトップ板が密着したことによってサドル高が安定して弦高低下を行うことができました
リペア後のギターにご満足いただけて、私もとても嬉しい気持ちでいっぱいです
これからもよみがえったYD-306とともに素晴らしいギターライフをお送りください
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
ブリッジ脱着
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- 1.オリジナルブリッジです。
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- 2.浮きが見られますので一旦取り外して再接着します。
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- 3.ラバーヒーターです。
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- 4.ヒーターをクランプしました。
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- 5.温度をモニタしながら徐々に温度を上げていき、接着面が緩むのを待ちます。
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- 6.接着面が暖まったところでナイフを挿入して行きます。
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- 7.慎重にナイフを進めていきます。
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- 8.ブリッジが外れました。
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- ブリッジ取り外しの様子です
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- 別角度からの様子です
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- 9.接着面をクリーニングします。
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- 10.接着を行いましょう。
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- 11.接着面周囲をマスキングテープで保護しました。
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- 12.湯煎したニカワを接着面に塗ります。
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- 13.接着面全体に薄く塗っていきます。
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- 14.そっとブリッジを乗せます。
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- 15.クランプしています。
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- 16.クランプで溢れたニカワを拭き取っていきます。
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- ブリッジ再接合の様子です
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- 別角度からの様子です
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- 17.マスキングテープを剥がします。
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- 18.このまま固着を待ちます。
フレット交換
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- 1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
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- 2.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
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- フレットを抜いている様子です
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- 3.フィンガーボードの平面性を確認します。
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- 4.軽くサンディングします。
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- 5.フレット溝の中のゴミ類を削り出します。このときもフレット溝エッジを傷つけないように注意します。
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- 6.フィンガーボードをクリーニングします。
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- 7.フレットプレスの準備が整いました。
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- 8.フィンガーボードの湾曲度(アール)を計測します。
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- 9.フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
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- 10.フレットをフィンガーボード幅よりも少し大きめに切り取ります。
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- 11.タングニッパでタング部をカットします。
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- 12.タング部処理を終えたフレット端です。
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- 13.第一のフレットプレス・ジグです。
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- 14.アールにあった先端ビットをジグのプレス部に固定します。
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- 15.ジグをサウンドホールから入れていきます。
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- 16.ハンドルを回してフレットをプレスします。
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- 17.ボディとネックの接合部分付近まで、この要領でプレスを進めていきます。
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- 18.2つ目のジグはこのように固定します。
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- 19.ネジを締めてフレットをプレスしていきます。
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- 20.順にプレスを進めていきます。
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- 21.3つ目のジグで残りのフレットをプレスしていきます。
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- 22.すべてのフレット打ち込みが終わりました。
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- フレットプレスの様子です
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- 23.打ち込み終わったフレットの端は飛び出ています。
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- 24.飛び出した部分をカットします。このとき切れ端が行方不明にならないように指先で受けます。
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- 25.カットしたフレット端です。
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- 26.カットしたフレット片は失わないように一カ所にまとめておきます。
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- 27.専用のヤスリを使ってフレット端を整形します。
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- 28.1弦側のフレット端も同じように整形します
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- フレット端整形の様子です
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- 29.整形されたフレット端です。
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- 30.さらにフレット・エンド・ドレッシング・ファイルでバリを取っていきます。
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- 31.引き続いてフレットすりあわせを行いましょう。マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 32.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 33.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 34.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 35.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 36.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 37.さらにスチールウールで研磨を進めます。
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- 38.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 39.プロテクタ類を外しましょう。
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- 40.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1. オリジナルナットです。
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- 2.当て木を当ててコンとたたいた後スライドして取り外します。
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- ナット取り外しの様子です
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- 3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.ナット高調整前の弦溝です。
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- 24.弦高調整後のナット弦溝です。
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- 25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 7.サドル高の切り出しを終えました。
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- 8.サドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 9.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 10.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 11.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 13.サドルを取り付けました。
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- 14.完成したブリッジとサドルです。