Bridge Remove and Reglue
戻るブリッジは経年変化や保管状況によってトップ板から浮くことはしばしば見かけられますが、場合によっては、トップ板の上を移動することがあります。
ここでご紹介するリペア・ケースは、トップ板塗装をはがしながらブリッジが移動した一例です。リペア工程は次の三段階に分けられます。
1) ブリッジ取り外し
2) トップ板塗装面の補修
3) ブリッジ再接着
状況確認
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- 1.ボディ内から照明をあてると、トップ板とブリッジがずれていることがわかります。
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- 2.トップ板から見てもブリッジが移動していることがわかります。
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- 3.サウンドホール側から見た写真です。ブリッジの移動とともにトップ板にめりこみ、塗装をはがしているのがわかります。
ブリッジ取り外し
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- 1.ブリッジに水分を与えます。ブリッジに布をかぶせ、常にせておきます。(これを2~3日続けます)
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- 2.ブリッジ用アイロンで熱を加えていきます。トップ板を保護するためシートをかぶせておきます。
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- 3.スクレーパをブリッジの浮いた隙間に差し込んでいきます。トップ板を痛めないように、ゆっくりと作業します。
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- 4.ブリッジ取り外し完了です。
トップ板塗装面の補修
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- 1.ブリッジ移動によってはがされたトップ板塗装面です。
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- 2.結構、大きく・深くはがされていることがわかります。
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- 3.リペア必要外の部分をマスキングテープで保護します。
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- 4.その上からラッカー系ニスを塗装します。そして乾燥です。
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- 5.#800のサンドペーパーで水研磨し、だいたいの平面が出てきたら、 マスキングテープをはがします。
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- 6.#1000のサンドペーパーで水研磨します。マスキング部分とそれ以外の部分の境目が見えないように研磨していきます。
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- 7.一様にトップ面が削れてきました。
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- 8.#1200の研磨シートで水研磨を続けます(シートの中はゴムの角材です)
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- 9.徐々に光沢が出てきました。でも、まだまだです。
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- 10.次は#2000の研磨シートで水研磨を続けます。
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- 11.もう少し頑張りましょう。
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- 12.水研磨最後は#4000の研磨シートです。
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- 13.ほぼ平面に研磨できました。
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- 14.コンパウンドで最終研磨です。
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- 15.トップ板塗装補修完了です。
ブリッジ接着
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- 1.接着両面にタイトボンドを塗ります。
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- 2.ブリッジリプレース用の治具を使って位置決めします。
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- 3.この治具はポリエチレン製ですので
- 3.この治具はポリエチレン製ですので
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- 4.ブリッジの周りにあふれたボンドをきれいにふき取ります。
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- 5.ブリッジクランプです。位置決め治具をとりつけたまま
- 5.ブリッジクランプです。位置決め治具をとりつけたまま
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- 6.次に位置決め治具をはずし、中央をクランプします。(ここでも、あふれたボンドをふき取りましょう)
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- 7.ボンドが固着するまで2日間このまま放置します。
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- 8.乾燥した後、治具が再び挿入できることを確認して、ブリッジ接着完了です。
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- 9.リペア後のブリッジです。 元の位置に戻りました。
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- 10.トップ板塗装剥がれも修復できました。