Collings OM2H
戻る鳥取県にお住まいのM.K.さんからYAMAHA LS36とCollings OM2Hのリペアご依頼をいただきました。Collings OM2Hはフレット交換、弦周りのTUSQ化を行いました。M.K.さんからは以前にMartin D-28とMartin OOO-18GEのリペアご依頼をいただいており、今回で2回目、3本目と4本目のギターリペアご依頼となりました。M.K.さん、いつもありがとうございます リペア後のギターを受け取られて、M.K.さんからとても暖かいメッセージが届きました。
樋口様
ギター受けとりました
2本とも最高の調整と感じており、大変喜んでいます
Collings OM2Hは、他社のリペアでは完全に改善できず、とても悲しい思いをしていましたので、最高の完成度で帰ってきたときは、病に伏していた愛する者が元気にそして美しくなって帰ってきたようで、とても嬉しくなりました
また、YAMAHA LS36はよりきれいな音になったように思います。取り付けていただ
いたビックアップも気に入っており、前回リペアしていただいた2本とともに、とても幸せなギターライフが送れそうです
ありがとうございました。
M.K.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました
リペア前のCollings OM2Hは高音弦のローフレット部分全体のビビリ減少が顕著だったので、フレットすりあわせを前提にリペアを検討したのですが、フレット高が低くなることによる演奏性の低下の可能性があったので、フレット交換によるリペアご提案を申し上げた次第です
リペア後は期待通りの弾きやすさ・演奏性と音響特性・音色の両方を実現することが出来ました
また、YAHAMA LS36はまだ新しいギターですが、フレット山の凹凸が見られましたので、すりあわせを中心としたリペアを行いました。ボリューム・サステインともに向上したと思います
両ギターともにリペア後の状態にご満足いただけて私もとても嬉しい気持ちでいっぱいです
これからも蘇ったギター達とともに素晴らしいギターライフをお送りください
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
フレット交換
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- 1.フレットを抜いていきましょう。はんだごてでフレットを暖めながらゆっくり抜いていきます。
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- 2.フィンガーボードを傷つけないように最後までゆっくりと抜いていきます。
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- フレットを抜いている様子です
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- 3.フィンガーボードの平面性を確認します。
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- 4.軽くサンディングします。
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- 5.フレット溝の中のゴミ類を削り出します。このときもフレット溝エッジを傷つけないように注意します。
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- 6.フィンガーボードをクリーニングします。
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- 7.フレットプレスの準備が整いました。
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- 8.フィンガーボードの湾曲度(アール)を計測します。
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- 9.フレットベンダーでフレットにアールをつけていきます。
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- 10.フレットをフィンガーボード幅よりも少し大きめに切り取ります。
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- 11.第一のフレットプレス・ジグです。
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- 12.アールにあった先端ビットをジグのプレス部に固定します。
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- 13.ジグをサウンドホールから入れていきます。
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- 14.ハンドルを回してフレットをプレスします。
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- 15.ボディとネックの接合部分付近まで、この要領でプレスを進めていきます。
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- 16.2つ目のジグはこのように固定します。
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- 17.ネジを締めてフレットをプレスしていきます。
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- 18.順にプレスを進めていきます。
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- 19.3つ目のジグで残りのフレットをプレスしていきます。
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- 20.すべてのフレット打ち込みが終わりました。
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- フレットプレスの様子です
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- 21.打ち込み終わったフレットの端は飛び出ています。
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- 22.飛び出した部分をカットします。このとき切れ端が行方不明にならないように指先で受けます。
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- 23.カットしたフレット端です。
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- 24.カットしたフレット片は失わないように一カ所にまとめておきます。
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- 25.専用のヤスリを使ってフレット端を整形します。
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- 26.1弦側のフレット端も同じように整形します
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- フレット端整形の様子です
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- 27.整形されたフレット端です。
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- 28.さらにフレット・エンド・ドレッシング・ファイルでバリを取っていきます。
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- 29.引き続いてフレットすりあわせを行いましょう。マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
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- 30.ボディもアクリル板でカバーしました。
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- 31.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
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- 32.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。
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- 33.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
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- 34.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。
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- 35.さらにスチールウールで研磨を進めます。
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- 36.最後はコンパウンドで磨き上げます。
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- 37.プロテクタ類を外しましょう。
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- 38.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換
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- 1. オリジナルナットです。
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- 2.当て木を当ててコンとたたいて取り外します。
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- ナット取り外しの様子です
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- 3. ナットを取り外したナット溝です。
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- 4.ナット溝のクリーニングを行います。ナット溝に残った不要物を削り取っていきます。
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- 5.クリーニング完了したナット溝です。ナットが溝と直接触れることによってギターの音色の改善が期待できます。
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- 6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。
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- 7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
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- 8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。
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- 9.1弦側からもナットの密着を確認します。
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- 10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。
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- 11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
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- 12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。
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- 13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
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- 14.ナット上部を切り取りました。
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- 15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
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- 16.ナットらしくなってきました。
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- 17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
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- 18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。
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- 19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
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- 20.弦高調整前のナットです。
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- 21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
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- 22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。
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- 23.ナット高調整前の弦溝です。
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- 24.弦高調整後のナット弦溝です。
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- 25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
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- 26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
ピッチ調整~サドル作製
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- 1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。
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- 2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。
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- 3.サドル山位置を書き写していきます。
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- 4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
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- 5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
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- 6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
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- 7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します
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- 8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。
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- 9.サドル高の切り出しを終えました。
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- 10.サドル高を切り出したサドル上部にピーク位置を書き写します。
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- 11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
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- 12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。
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- 13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
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- 14.ブリッジピン穴加工を終えました。
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- 15.サドルを取り付けました。
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- 16.完成したブリッジとサドルです。