Martin D-76
戻る 埼玉県にお住まいのM.O.さんからMartin D-76、S.Yairi YD-303、Chaki W-60Rのリペアご依頼をいただきました。M.O.さんからは先日Martin D-35、Kalamazoo KG-11、GUILD F30、Gibson J-50のリペアご依頼をいただいております。M.O.さん、いつもありがとうございます。Martin D-76はネックリセット、ブリッジ交換などを含むトータル・リペアを行いました。リペア後のギターを受け取られて、M.O.さんからとても暖かいメッセージが届きました。
ギター工房オデッセイ
樋口様
お世話になってます。
埼玉のM.O.です。
ご連絡が遅くなりすみません。
まずは3本ともバッチリと調整していただきありがとうございました。
届いてからひと月半、時間がある時に弾きまくってみた感想です。長文になりますがお許しを。
◆S.yairi YD-303(1975)
ギターを始めてから一年ほど経ってから、アルバイトをして初めて自分で買ったギターで、思い入れもかなりあるギターです。
だいぶくたびれてきたので、思い切ってオデッセイさんにお世話になることにしました。
まずは、若気のいたりで貼ったシールを丁寧に貼り直していただき、ほんとにありがとうございました。
音質や鳴りに関しては、ボディから出てくる音が以前よりもバランスがとれていて、もはや何も言うことはありません。
ボリュームある締まった低音とカリンカリンの高音と伸びのある中音の透明感がいい。
プレイアビリティに関しては、買った当時はフレットも弦高も自分には合わず、自分で無理やりサドルを低くしていたため張りも硬く弾きにくくて、ハイフレットを押さえることに苦労してました。
リペア後はフレットと指板のリペアと弦高調整により、以前より格段に弾きやすくなってました。
特にスラーやグリッサンドの弾きやすさと音色がバツグンです。
ほんと弾きやい。
◆Chaki W-60R(1976)
S.yairiの次に購入したギターです。
購入した当時は、軽くて甘い音色でした。
とにかく弾きやすかったので、ガンガン弾きまくり、ジャキジャキな音になってしまいました。
どこに行くに持ち歩いていて、旅に行くときも一緒で、けっこう乱暴に扱ってました。
リペア後は、ジャキジャキの音は一段と大きくボディ全体で鳴るようになって、サドルの位置も直していただき音痴も直りました。
◆Matin D-76(1976)
リペア&調整に一番お願いしたいギターの一本でした。
このギターは、甘い音色と鈴鳴りの高音が特徴で、弦周りをタスク化するにあたって、正直言って、リペアをお願いするか迷いました。
樋口さんと電話でのやりとりをさせていただき、丁寧な説明を受けて、リペアすることを決心しました。
戻ってきた D-76をすぐにチューニングして、音を出しました。出てきた音は、きらびやかで伸びやかな音で、正直戸惑いました。
これって D45に近いんじゃないか、と感じました。
が、フォスファーの新弦の音だったんですね。
弦が落ち着くとちゃんと D-76の音色に戻ってました。それもスッキリと伸びやかなやさしくて甘い音。低音もドンと響きます。
ブリッジを新規に製作していただきピッチの狂いもなくなりました。
今回お世話になったどのギターも格段に弾きやすく仕上がってます。感謝感謝です。
自分の指がこんなにフレットの上を自由に動かすことができるようになったのが驚きと喜びです。
とにかく、今回は私のギターたちが、大変お世話になりありがとうございました。
機会がありましたら、またお願いするつもりです。
その時はなにとぞよろしくお願いします。
M.O.さん、とても暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。
ギターの持っている潜在能力を出来るだけ引き出す、という気持ちを持って全てのギター達のリペアを行わせていただきました。
今回、お預かりしたギターはいずれもDサイズでした(Chakiは形状が少し異なりますが)。
リペア後の音色は全く異なるギターでしたが、演奏性はほとんど同じに揃えられたのではないかと思っています。
とても個性豊かなギター達をリペアさせていただく機会を与えていただいて大変感謝しております。
これからもM.O.さんの傍らで元気になったギター達が活躍することをお祈りしております。
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。